債権回収
未払いが続くクライアントへの対処法|5つのステップ
ビジネスを営む上で、クライアントからの未払いは、資金繰りの悪化や、精神的なストレスを引き起こす深刻な問題です。しかし、多くの事業主は「どうすればいいか分からない」「関係を壊したくない」といった理由から、問題を放置し、最悪の場合、泣き寝入りしてしまうことも少なくありません。

「支払期日を過ぎたのに、クライアントから入金がない…」「何度か催促のメールを送ったが、返信がないまま未払いが続いている…」
ビジネスを営む上で、クライアントからの未払いは、資金繰りの悪化や、精神的なストレスを引き起こす深刻な問題です。
単なる督促方法にとどまらず、未払いの原因を正しく診断し、自力での交渉から法的手段まで、すべてのプロセスを網羅的に提供する完全ガイドです。

第1章:未払い対処法の前に!未払いの原因を正しく診断する

1-1. 診断1:支払い能力の欠如(支払う意思はあるがお金がない)
- 診断1の特徴:
- 担当者からの連絡が途絶えがちになる。
- 支払いを先延ばしにしようと、様々な理由をつけてくる(「今月は厳しくて…」「来月には必ず」)。
- 分割払いや支払いサイト(支払期日)の変更を打診してくる。
- 他社への支払いも滞っている可能性がある。
1-2. 診断2:支払い意思の欠如(支払う意思がない)
- 診断2の特徴:
- 「成果物が期待外れだった」「サービス内容が契約と違う」など、後からクレームをつけてくる。
- 連絡をしても意図的に無視される。
- 責任者が話し合いに応じようとしない。
- 会社のウェブサイトが閉鎖されている、連絡先が虚偽であるなど、実態が不明瞭である。
1-3. 診断3:事務的なミス(支払う意思も能力もある)
- 診断3の特徴:
- 連絡をすればすぐに状況が確認でき、謝罪のうえで迅速に支払いが行われる。
- 担当者が変わった、組織変更があったなどの理由で、情報共有がうまくいっていない。
1-4. 診断4:サービスへの不満(契約上のトラブル)
- 診断4の特徴:
- 具体的な問題点を指摘してくる。
- 不備を改善するまで支払いを拒否する、あるいは代金を減額しようと交渉してくる。

第2章:いますぐできる!未払いが続くクライアントへの5つの対処法

2-1. 【ステップ1】支払期日翌日の「確認」連絡
- 電話での連絡:
- 「〇月〇日付の請求書について、お支払い状況を確認したくお電話いたしました。お振込は完了されていますでしょうか?」と、あくまで事務的な確認であることを伝えます。
- もし、相手が「まだ」と言う場合は、「いつ頃までにお支払いいただけますでしょうか?」と具体的な期日を確認します。
- メールでの連絡:
- 「件名:【ご請求】〇月度ご請求書につきまして(〇〇株式会社)」のように、件名に会社名と内容を明確に記載します。
- 本文には、「〇月〇日付でお送りいたしましたご請求書(ご請求金額:〇〇円)につきまして、お支払い期日を過ぎております。お振込状況をご確認いただけますでしょうか。」と簡潔に伝えます。
2-2. 【ステップ2】書面による本格的な督促
- 督促状(催告書)の送付:
- 督促状には、請求内容、請求金額、支払期日、振込先を明確に記載します。
- 「本書面到着後、〇日以内にご入金いただけない場合は、法的手段を講じる場合があります」といった文言を盛り込むことで、相手にプレッシャーを与えます。
- 内容証明郵便の活用:
- 督促状は、内容証明郵便で送付するのが一般的です。
- これは、「いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったか」を郵便局が公的に証明してくれるサービスです。
2-3. 【ステップ3】法的手段を見据えた「証拠」の収集と整理
これらの証拠がなければ、裁判で債権の存在を証明することは非常に困難です。
2-4. 【ステップ4】相手の状況に応じた交渉と法的措置の検討
- 交渉のポイント:
- 資金繰り悪化の場合: 分割払い、支払いサイトの変更、一部債権の免除(和解)といった柔軟な交渉を検討します。
- 意図的な不払いの場合: 交渉は無意味な場合が多いため、法的手段への移行を検討します。
この段階で、支払督促や少額訴訟といった、裁判所を介した手続きを視野に入れます。
2-5. 【ステップ5】専門家(弁護士)への相談

第3章:自力交渉の限界!なぜ法的手段が必要なのか?

3-1. 理由1:法的強制力がない
相手が支払いを拒否すれば、それ以上何もできなくなってしまいます。
3-2. 理由2:債権の時効の進行
時効が完成すると、相手が「時効なので支払いません」と主張(時効の援用)すれば、債権を回収する権利が消滅してしまいます。
3-3. 理由3:精神的・時間的コスト

第4章:債権回収の法的手段を徹底比較!あなたに最適な方法は?

債権回収方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
支払督促 | 裁判所からの支払命令 | 迅速、低費用、裁判所への出廷不要 | 相手が異議を唱えると訴訟に移行 |
少額訴訟 | 60万円以下の債権を扱う簡易な訴訟 | 迅速、手続きが簡単、費用が安い | 相手が同意しないと通常訴訟に移行 |
民事調停 | 裁判所の仲介による話し合い | 柔軟な解決、費用が安い | 相手が応じないと解決できない |
通常訴訟 | 一般的な裁判手続き | どのような債権でも利用可能、確実な解決 | 時間と費用がかかる、手続きが複雑 |
強制執行 | 裁判所による強制的な財産差し押さえ | 確実な回収、相手の財産を強制的に換金 | 手続きが複雑、費用がかかる |

第5章:弁護士に依頼するメリットと費用相場

5-1. 弁護士に依頼するメリット
5-2. 弁護士費用の相場
- 着手金: 依頼時に支払う費用。債権額に応じて決まります。
- 報酬金: 債権の回収に成功した場合に支払う成功報酬です。回収額の一定割合(例:10%~20%)で決まることが多いです。
回収を希望する債権額 | 着手金の目安 | 報酬金の目安 |
30万円以下 | 5万円~10万円 | 回収額の16% |
50万円 | 7万円~12万円 | 回収額の16% |
100万円 | 10万円~20万円 | 回収額の16% |
300万円 | 20万円~40万円 | 回収額の10% |
500万円 | 30万円~50万円 | 回収額の10% |
1,000万円 | 40万円~70万円 | 回収額の8% |
※あくまで一般的な目安であり、法律事務所によって異なります。

FAQ|よくあるご質問

Q1:口約束でも未払い代金は回収できますか?
契約は必ずしも書面で行わなければならないわけではありません。口約束でも契約は成立します。ただし、契約書がない場合は、客観的な証拠(メールやチャットでのやり取り、通話録音、銀行振込の記録など)がより重要になります。これらの証拠を積み重ねて、契約の事実を証明していくことになります。
Q2:相手が倒産しそうな場合、どうすればいいですか?
相手が倒産した場合、債権回収は極めて困難になります。倒産手続きが始まる前に、早めに仮差押えなどの保全手続きを行う必要があります。また、相手が自己破産や民事再生などの法的整理手続きに入った場合、債権者は債権者集会に参加し、債権の届け出を行う必要があります。このような状況では、弁護士に早急に相談し、適切な手続きを取ることが不可欠です。
Q3:弁護士に依頼するタイミングはいつがベストですか?
内容証明郵便を送っても反応がない場合や、金額が高額な場合も、できるだけ早く弁護士に相談すべきです。早めに弁護士に依頼することで、債務者の財産が散逸するのを防ぎ、回収の成功率を高めることができます。

結論|あなたの債権、弁護士に依頼して回収しましょう!

未払いが続くクライアントへの対処法は、まず「いますぐできる5つのステップ」で冷静に対応することから始まります。
未払い問題を確実に、そして効率的に解決するためには、専門家である弁護士の力が不可欠です。
一人で悩みを抱え込まず、今すぐ弁護士に相談しましょう。
【補足:成功報酬で債権回収するならXP法律事務所とは】
XP法律事務所は、債権回収を成功報酬で行います。
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FAQ
①売掛保証・債権保証とは?
売掛保証とは、企業が商品やサービスを販売した際に発生する売掛金(未回収の代金)が、取引先の倒産や支払い遅延などで回収できなくなった場合に、保証会社や保険会社がその損失を補償してくれるサービスです。
これは、債権保証とも呼ばれ、企業の資金繰り安定や貸倒れリスクの軽減を目的としています。売掛保証を導入すれば、安心して新規取引や大口契約に挑戦でき、事業拡大を後押しする効果が期待できます。いわば、会社の売上を守る「安心の保険」のようなものです。
申し込みはこちら:https://toshika-lp.protocol.ooo/protocol-deal
②債権回収・未払い回収とは?
債権回収とは、企業や個人が、商品やサービスの提供、または貸付などによって発生した「債権」(お金を受け取る権利)について、約束の期日になっても相手方(債務者)から支払いがない場合に、そのお金を取り戻すための一連の活動を指します。
具体的には、支払いの催促(督促)、交渉、そして最終的には法的手段(内容証明郵便の送付、少額訴訟、通常訴訟、強制執行など)を通じて、未回収の資金を回収するプロセスです。会社の資金繰りを健全に保つ上で非常に重要な業務です。
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