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資金繰り表の作り方|無料エクセルテンプレート付きで初めてでも作れる

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最終更新:2026年6月6日/資金繰り総研 編集部 by PROTOCOL

本記事は資金繰り表の作り方を一般的な情報として解説するものです。記事内の数値はすべて解説用のサンプルです。自社の会計処理・税務・資金判断については、必ず税理士・公認会計士・金融機関にご相談ください。本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。

資金繰り表の作り方|無料エクセルテンプレート付きで初めてでも作れる

「黒字なのに月末になると口座が心もとない」「いくら手元に残るのか感覚でしか分からない」――その不安の正体は、ほぼ例外なく資金繰り表が無いことにあります。資金繰り表とは、これから先のお金の入り(収入)と出(支出)を月ごとに並べ、「いつ・いくら現金が残るか」を先回りで見える化する一覧表です。中小企業庁や日本政策金融公庫も、資金繰り管理の基本ツールとして作成を推奨しています。本記事では、簿記の知識がなくても作れるように、項目の意味・作る手順・6か月分の記入例・ケーススタディ・つまずきポイントまでを順を追って解説します。

結論:資金繰り表は「前月繰越+収入−支出=翌月繰越」のくり返し

難しく考える必要はありません。資金繰り表の骨組みは、たった1本の式のくり返しです。

前月の繰越現金 + 今月の収入 − 今月の支出 = 翌月への繰越現金

この「翌月への繰越現金」がマイナスになる月があれば、その月に資金ショート(資金が尽きる)するという警告です。資金繰り表の目的は、利益を計算することではなく、「現金が尽きる月を、尽きる前に見つける」こと。だからこそ、損益計算書(P/L)とは別物として、毎月作る価値があります。まずは下の完成イメージを見てください。

項目 4月 5月 6月
① 前月繰越 1,000 1,150 700
営業収入(現金売上・売掛金回収) 800 600 900
営業支出(仕入・人件費・経費・税金など) 650 1,050 700
② 経常収支(営業収入−営業支出) +150 −450 +200
財務収入(借入・増資) 0 0 500
財務支出(借入返済) 0 0 100
③ 財務収支 0 0 +400
④ 翌月繰越(①+②+③) 1,150 700 1,100

※単位:千円。数値はサンプルです。

この表を見ると、5月に営業収支が大きくマイナス(−450)になり、繰越現金が1,150→700へ急減しているのが一目で分かります。もし5月の支出がもう少し多ければ、繰越はマイナス=資金ショートでした。こうした「危ない月」を2〜3か月前に把握できるのが資金繰り表の最大の価値です。では、これをゼロから作る手順を見ていきましょう。

そもそも資金繰り表とは?損益計算書との決定的な違い

資金繰り表を作る前に、なぜ「利益が出ているのに資金が足りない」が起きるのかを理解しておくと、作る意味が腹落ちします。鍵は「発生主義」と「現金主義」の違いです。

比較項目 損益計算書(P/L) 資金繰り表
基準 発生主義(取引が起きた時点で計上) 現金主義(お金が動いた時点で計上)
売上の扱い 納品・請求した月に計上 入金された月に計上
見るもの 儲かっているか(利益) 現金が尽きないか(残高)
時間軸 過去〜現在の実績 未来の予測

たとえば3月に100万円を売り上げても、入金が5月なら、P/L上は3月の売上ですが、現金が増えるのは5月。その間に仕入や経費の支払いが先に来れば、利益は黒字でも現金はマイナスになります。これが「黒字倒産」の正体であり、P/Lだけでは見抜けません。資金繰り表は、この現金の動きだけを追う表です。両者の違いは資金繰り表と試算表・キャッシュフロー計算書の違いでさらに詳しく解説しています。

資金繰り表に必要な5つの区分

市販やテンプレートの様式は項目が細かく見えますが、本質は次の5区分だけです。ここを理解すれば、どんな様式でも読めるようになります。

区分 中身 具体例
前月繰越 月初に手元にある現金・預金 普通預金残高+手元現金
営業収入 本業で入ってくるお金 現金売上、売掛金の入金、前受金
営業支出 本業で出ていくお金 仕入・外注費、給与、家賃、経費、消費税・社会保険料
財務収支 資金調達と返済 借入の入金、借入の返済、増資、設備投資
翌月繰越 月末に残る現金(=翌月の前月繰越) 上記を足し引きした結果

ポイントは「売上」ではなく「入金」、「費用」ではなく「支払い」で書くこと。営業収支(経常収支)と財務収支を分けておくと、「本業で稼げているのか」「借入返済が重いのか」を切り分けられます。

【ケーススタディ】小売業A社の6か月でみる資金繰り表

具体例で見ると一気に分かります。年商7,200万円・月商600万円の小売業A社(架空)を例に、6か月の資金繰り表を作ってみます。ポイントは、7月の賞与8月の消費税納付という大型支出です。

項目 4月 5月 6月 7月 8月 9月
① 前月繰越 500 520 540 560 380 200
営業収入(売掛回収) 600 600 620 620 620 650
営業支出(仕入・人件費・経費) 580 580 600 600 600 600
賞与(7月) 0 0 0 200 0 0
消費税納付(8月) 0 0 0 0 200 0
② 経常収支 +20 +20 +20 −180 −180 +50
④ 翌月繰越 520 540 560 380 200 250

※単位:千円。架空のサンプルです。

A社は毎月コツコツ黒字(経常収支+20)ですが、7月の賞与200と8月の消費税200が重なり、繰越が560→380→200へ急降下します。8月末の200は、月商600の3分の1。仕入の支払いが1件ずれただけでショートしかねない水準です。

ここで重要なのは、この危機が4月の時点で「予測」できること。賞与も消費税も金額と時期は事前に分かっているからです。A社は4月のうちに、(1)賞与・納税資金を毎月積み立てる、(2)夏に向けて売掛金の回収を早める、(3)銀行に短期のつなぎ融資を相談しておく、といった手を打てます。何も知らずに8月を迎えるのとは雲泥の差です。大型支出をならす具体策は資金繰り平準化のコツで解説しています。

作り方の手順(5ステップ)

STEP1:期間と単位を決める

まずは向こう6か月〜12か月を月単位で。慢性的に資金が厳しい場合は、週次の資金繰り管理に切り替えます。単位は千円か万円で揃えると見やすくなります。

STEP2:月初の現金残高(前月繰越)を入れる

通帳残高+手元現金が出発点です。複数口座があれば合算します。ここが正確でないと以降がすべてズレるので、実際の残高に必ず合わせます。

STEP3:営業収入を「入金日ベース」で埋める

確定している売掛金の入金予定を、請求書の支払期日(入金される月)に記入します。受注見込みは確度の高いものだけを控えめに。希望的観測で多めに書くと表が嘘をつき、危険な月を見逃します。確度別の見積もり方は資金繰り予測の立て方を参照してください。

STEP4:営業支出を「支払日ベース」で埋める

仕入・外注の支払予定、毎月の固定費(給与・家賃・リース)、そして見落としがちな消費税・社会保険料・労働保険・賞与・決算法人税を、実際に口座から出ていく月に入れます。これらの「臨時の大きな支払い」を書き漏らすのが、資金繰り表が当たらない最大の原因です。

STEP5:財務収支を入れ、翌月繰越を計算する

借入の入金・返済予定を入れ、「前月繰越+経常収支+財務収支」で翌月繰越を計算。これを各月へ横に転記していけば完成です。エクセルなら翌月繰越のセルを翌月の前月繰越へ参照させると自動化できます。

エクセルで作るときの最小列構成

A列=項目名/B列以降=各月。行は「前月繰越/営業収入(数行)/営業支出(数行)/経常収支/財務収入/財務支出/翌月繰越」。翌月繰越=前月繰越+営業収入合計−営業支出合計+財務収入−財務支出、を関数で組むだけです。ゼロから様式を作るのが面倒なら、後述の公的機関のひな型を使うか、資金繰りクラウドツールで会計データから自動生成する方法もあります。

資金繰り表の2つの型:実績表と予定表

資金繰り表には大きく2つの使い方があります。両方を1枚にまとめると、精度がぐんと上がります。

  • 実績資金繰り表:過去に実際いくら入って・出たか。事実の記録で、予測の精度を検証する土台になる。
  • 予定資金繰り表:これから先の見込み。危ない月を事前に見つける“予報”。

毎月末に「予定(予算)と実績」を見比べ、ズレた原因を確認する――これを続けるほど予測精度が上がります。資金が逼迫している局面では、月次に加えて日繰り表(日単位の資金繰り)で、月内の資金の谷まで管理します。

初心者がつまずく3つのポイント

  • 売上と入金を混同する:資金繰り表は必ず「入金・支払いの実際の月」で書きます。売上が立った月ではありません。
  • 年に数回の大型支出を忘れる:消費税・賞与・決算税金・保険の年払いなど。ケーススタディのA社のように、これらを入れると急に厳しい月が浮かび上がります。
  • 予実をチェックしない:作って終わりにせず、月末に予定と実績を見比べてズレの原因を確認します。

公的機関の無料テンプレート・支援も使える

ゼロから様式を作る必要はありません。公的機関が中小企業向けに無料の資金繰り表ひな型や解説を提供しています。一次情報として信頼でき、無料で使えます。

  • 中小企業庁chusho.meti.go.jp):資金繰り・経営支援の各種情報。
  • J-Net21(中小企業基盤整備機構)j-net21.smrj.go.jp):資金繰り表の作り方解説やテンプレート。
  • 日本政策金融公庫jfc.go.jp):融資相談時に使える資金繰り表のひな型。

各サイトの最新の様式・内容は、リンク先の公式情報でご確認ください。融資を見据えるなら、銀行が見るポイントを押さえた銀行提出用の資金繰り表もあわせて準備しておくと効果的です。

資金繰り表で「危ない月」が見つかったら

翌月繰越が薄い・マイナスになる月が見えたら、それは早めに手を打てるチャンスです。打ち手は大きく3方向あります。

方向 具体策 スピード
入りを早める 売掛金の回収前倒し交渉、前受金化、ファクタリングでの早期資金化 即日〜数日
出を遅らせる・減らす 仕入先への支払サイト延長、固定費の見直し、税金の納税の猶予制度 数日〜数週間
資金を足す 銀行融資・制度融資の事前相談(資金繰り表があると説明がスムーズ) 数週間〜

どの手から打つべきか迷う場合は、資金繰り総研の無料診断で自社の状況に合う打ち手を整理できます。急ぎの資金が必要なら、売掛金を期日前に資金化するファクタリングの手取り額をシミュレーターで試算してから検討してください。資金繰り表は「危機を見つける道具」であると同時に、「銀行や専門家に相談するときの共通言語」でもあります。

よくある質問(FAQ)

資金繰り表は何か月先まで作ればいいですか? 💡 編集部推奨
最低でも3か月、できれば6〜12か月先まで作るのが目安です。先を長く見るほど、賞与・決算納税などの大型支出に備えやすくなります。ケーススタディのA社のように、夏の賞与と消費税が重なる月は数か月前から見えるので、早めに資金を準備できます。資金が逼迫している局面では週次・日繰りで管理します。
エクセルが苦手でも作れますか? 💡 編集部推奨
作れます。最低限「前月繰越・営業収入・営業支出・翌月繰越」の4行があれば成立します。関数は足し算・引き算だけ。中小企業庁やJ-Net21、日本政策金融公庫が無料のひな型を公開しているので、それを使えばゼロから作る必要もありません。会計ソフト連携のクラウドツールなら自動生成も可能です。
売掛金の入金は、売上が立った月に書きますか?
いいえ、実際に入金される月に書きます。3月の売上でも入金が5月なら、資金繰り表では5月の営業収入です。ここを売上月で書いてしまうと、現金の動きと表がズレて「危ない月」を見逃します。費用も同じで、計上月ではなく支払月に書きます。
消費税や賞与はどう扱えばいいですか? ⚠ 要注意
実際に支払う月に、その月の営業支出として計上します。消費税の納付や夏冬の賞与は金額が大きく、ケーススタディのA社のように繰越を一気に削ります。これらは時期も金額も事前に分かるので、毎月概算額を別口座に積み立てておくと、納付・支給月の谷を防げます。
資金繰り表を作ったら、次に何をすべきですか? 💡 編集部推奨
翌月繰越が薄くなる月を特定し、(1)入金を早める (2)支出を遅らせる・減らす (3)資金を足す、のどれで埋めるかを前もって決めます。毎月、予定と実績を見比べて精度を上げていくこと、そして危ない月が見えたら早めに銀行や専門家へ相談することが、資金繰り改善の第一歩です。

まとめ

資金繰り表は「前月繰越+収入−支出=翌月繰越」のくり返しで作れる、シンプルだが最強の経営ツールです。売上ではなく入金、費用ではなく支払いで、お金が動く実際の月に書く――この一点さえ守れば、簿記の知識がなくても作れます。ケーススタディのA社のように、賞与や消費税の大型支出は数か月前から見えるので、早めに備えられます。大切なのは、完璧さより「毎月続けて、危ない月を前もって見つける」こと。公的機関の無料ひな型も活用してください。

作った資金繰り表で資金が薄くなる月が見えたら、無料診断で打ち手を整理し、急ぎの資金が必要ならファクタリング比較手取りシミュレーターもあわせて検討してください。制度・税務・融資に関わる個別判断は、必ず税理士・金融機関・各公式窓口にご相談ください。

資金繰り総研 編集部 by PROTOCOL / 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の取引・契約を推奨・保証するものではありません。

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最終更新日 2026年6月6日
編集 資金繰り総研 編集部(株式会社 PROTOCOL)

本記事は 資金繰り総研 編集部が制作したものです。資金繰り総研は中小企業・個人事業主のファクタリング業者選びを支援するメディアで、103 社の業者を公開情報・提携データをもとに比較・評価しています。

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