手数料はどのくらい?公式サイトで確認した料率
請求書カード払いの手数料は、支払う金額に対して1回ごとにかかるのが一般的です。2026年10月に各社の公式サイトで確認した通常の手数料は、次のとおりです。
| サービス | 手数料(通常時) | 消費税 | 最低手数料など | 初期費用・月額 |
|---|---|---|---|---|
| freee請求書カード払い | 3.0% | 非課税 | 取引あたり最低1,500円 | 公式サイトに「3.0%のご利用手数料のみ」と記載 |
| 請求書カード払い by 弥生 | 利用開始時3.5%(利用金額に応じて変動) | 公式FAQに記載なし(申込前に確認を) | 請求あたり最低390円 | — |
| マネーフォワード 請求書カード払い | 2.7% | 税別 | 10万円以下は一律3,000円(税別) | 初期費用・月額費用ともに無料 |
※条件は変わることがあります。申込前に必ず公式サイトで最新の条件を確認してください。
弥生は、登録特典として初月と翌月は1.5%としています。また、弥生とマネーフォワードは、月間の利用金額によって通常より低い手数料率を案内できる場合がある、としています。
このように、手数料は「%」だけでは比べられません。消費税が別にかかるか、最低手数料はいくらか、という条件で、実際に払う金額が変わります。サービスごとの条件はサービスの図鑑でも比べられます。
料率が変わる条件にも注意
手数料率は、ずっと同じとは限りません。登録特典で一定期間だけ低い料率になるサービスや、月間の利用金額によって料率を見直すサービスがあります。特典の期間が終わると、通常の料率に戻ります。最初の数か月の手数料だけで判断すると、長く使ったときのコストを見誤ることがあります。比べるときは、特典の期間が終わった後の通常の料率で計算しておくと安心です。
手数料はどう払う?決済額の計算
手数料は、請求額に上乗せしてカードで決済するのが一般的です。freeeの公式FAQでは、請求書の金額と利用手数料の合計がカード決済金額になり、カードの引落日に払う、と案内しています。
つまり、取引先に届く金額は請求額のままで、自社がカードで払う金額は請求額+手数料です。手数料の分だけ、カードの利用可能枠も多く使います。
100万円を払う場合の計算
| サービス | 手数料の計算 | 手数料 | カード決済額 |
|---|---|---|---|
| freee(3.0%・非課税) | 100万円×3.0% | 30,000円 | 1,030,000円 |
| 弥生(3.5%) | 100万円×3.5% | 35,000円 | 1,035,000円 |
| マネーフォワード(2.7%・税別) | 100万円×2.7%=27,000円、消費税2,700円 | 29,700円 | 1,029,700円 |
マネーフォワードの公式FAQでも、立替払希望金額100万円、手数料率2.7%(税抜)の場合、立替払手数料を含めて102.97万円になる例が示されています。
この例では、税別2.7%と非課税3.0%の差は、税込で300円です。%の数字の差ほど、実際の差は大きくないこともあります。比べるときは、必ず税込の金額で比べましょう。なお、弥生の3.5%は利用開始時の料率で、登録特典の期間や利用金額によって変わります。
枠に余裕を残しておく
手数料を上乗せして決済するため、請求額ちょうどの空き枠では足りません。100万円の請求書なら、3.0%の場合で103万円の空き枠が必要です。さらに、同じカードで日々の経費も払っているなら、その分の枠も残しておく必要があります。決済の前に、カード会社の会員ページなどで利用可能枠を確認しておきましょう。
最低手数料で少額が割高になる
最低手数料や定額の手数料があるサービスでは、少額の支払いほど実質の手数料率が上がります。公式サイトの条件で計算すると、次のとおりです。
| 支払額 | freee(3.0%・最低1,500円) | 弥生(3.5%・最低390円) | マネーフォワード(2.7%税別・10万円以下は一律3,000円税別) |
|---|---|---|---|
| 1万円 | 1,500円(15.0%) | 390円(3.9%) | 3,300円(33.0%) |
| 5万円 | 1,500円(3.0%) | 1,750円(3.5%) | 3,300円(6.6%) |
| 10万円 | 3,000円(3.0%) | 3,500円(3.5%) | 3,300円(3.3%) |
| 30万円 | 9,000円(3.0%) | 10,500円(3.5%) | 8,910円(2.97%) |
※マネーフォワードは税込で計算。30万円の場合は30万円×2.7%=8,100円に消費税810円を加えた8,910円です。弥生は利用開始時の3.5%で計算しています。
表から分かるとおり、どのサービスが安いかは、支払額によって入れ替わります。少額の支払いが多い会社と、大口の支払いが中心の会社とでは、合うサービスが違う可能性があります。
また、少額の支払いを遅らせても、資金繰りへの効果は小さいことが多いです。数万円の不足なら、手数料を払わずに済む方法がないか、先に考えてみましょう。どんな支払いに向くかはどんな支払いに向く?で整理しています。
同じ取引先への支払いでも、請求書が複数枚に分かれていると、それぞれに最低手数料がかかる場合があります。請求書の分け方や、まとめて登録できるかどうかは、サービスの決まりを確認しましょう。
延びる日数の正しい数え方
手数料の重さを判断するには、何日分の余裕を買っているのかを知る必要があります。各社の表記では「最大60日」が多いですが、実際の日数は、カードの締め日と引落日、決済した日で決まります。
大事なのは、本来の支払期日から、カードの引落日までで数えることです。カード決済の日から数えると、実際より長く見えてしまいます。もともと期日に振り込む予定だったお金が、何日後まで手元に残るか、が資金繰りへの効果だからです。
例:10月31日が支払期日の請求書
| カードの条件 | 決済日 | 引落日 | 延びる日数 |
|---|---|---|---|
| 15日締め・翌月10日払い | 10月16日〜10月27日ごろ | 12月10日 | 40日 |
| 15日締め・翌月10日払い | 10月15日 | 11月10日 | 10日 |
| 末日締め・翌月27日払い | 10月中 | 11月27日 | 27日 |
計算の内訳:10月31日から12月10日までは、11月の30日と12月の10日で40日です。10月31日から11月10日は10日、11月27日は27日です。
同じ請求書、同じ手数料でも、延びる日数は10日から40日まで変わります。延びる日数が短いと、同じ手数料で買える余裕が少なくなります。決済の前に、手持ちのカードの締め日と引落日を確かめておきましょう。ただし、取引先への振込が期日に間に合うよう、各サービスの申込期限や振込日も確認が必要です。
実質コストは年率に直して考える
手数料は1回あたりの%で示されますが、融資の金利は年率で示されます。比べるには、年率に直すのが分かりやすい方法です。
考え方の式:年率の目安=手数料率÷延びる日数×365
| 手数料率 | 10日 | 27日 | 40日 | 60日 |
|---|---|---|---|---|
| 2.97%(2.7%+消費税) | 約108.4% | 約40.2% | 約27.1% | 約18.1% |
| 3.0% | 約109.5% | 約40.6% | 約27.4% | 約18.3% |
| 3.5% | 約127.8% | 約47.3% | 約31.9% | 約21.3% |
計算例:3.0%÷40日×365=27.375%で、約27.4%です。3.5%÷60日×365=21.29…%で、約21.3%です。この計算は単純化した目安で、複利などは考えていません。
表から分かるのは、延びる日数が短いと、年率が急に高くなることです。10日しか延びない使い方では、年率は100%を超えます。逆に、60日近く延ばせれば、年率は20%前後まで下がります。
ただし、年率が高いから必ず使うべきでない、というわけではありません。1回だけ、数日の支払いのズレを埋めるためなら、手数料の額そのものが許容できるかで判断してもよいでしょう。毎月のように使うなら、年率で他の手段と比べることが欠かせません。自社の条件での計算は実質年率の計算ツールで試せます。
1回だけ使う場合の判断例
年率が高く見えても、1回だけの利用なら、判断の仕方は少し変わります。たとえば、月末に50万円の支払いがあり、入金が翌月半ばにずれ込んだとします。手数料3.0%なら15,000円です。この15,000円で、支払いの遅れによる取引先との関係の悪化や、ほかの支払いの遅れを避けられるなら、払う価値はあると考える人もいるでしょう。大切なのは、年率の高さを知ったうえで、それでも払うかどうかを自分で決めることです。年率を知らずに使い続けるのが、もっとも避けたい状態です。
常用すると年間でいくらになるか
請求書カード払いは手続きが簡単なため、毎月使い続けてしまうことがあります。年間の手数料を計算すると、負担の大きさが分かります。
| 毎月の利用額 | 手数料率 | 1か月の手数料 | 1年の手数料 |
|---|---|---|---|
| 50万円 | 3.0% | 15,000円 | 180,000円 |
| 100万円 | 3.0% | 30,000円 | 360,000円 |
| 300万円 | 3.0% | 90,000円 | 1,080,000円 |
計算例:100万円×3.0%=3万円、3万円×12か月=36万円です。
毎月100万円を遅らせ続けている状態は、資金繰りの面では、およそ100万円を借り続けているのに近い状態です。その100万円に対して1年で36万円を払うと考えると、負担の重さが分かります。融資の金利は年率で示されるため、同じ金額を借りた場合の利息と比べてみましょう。
常用している場合は、毎月不足する構造そのものを見直す時期です。融資で運転資金を確保する、取引先と支払条件を相談する、入金サイトを短くする、といった方法が考えられます。必要な運転資金の目安は必要運転資金の計算ツールで確認できます。メリットと注意点の全体像はメリット・デメリットと注意点で整理しています。
カードのポイントはどう考えるか
freeeやマネーフォワードの公式サイトでは、請求書の支払いでカードのポイントが貯まると案内しています。ポイントで手数料の一部が戻ると考えると、実質のコストは少し下がります。
ただし、次の点に注意が必要です。
- 還元率はカードによって違う:マネーフォワードの公式サイトでも、ポイント還元率はカードによって異なると記載されています。
- 対象外になる支払いがあるカードもある:カード会社の規約で、ポイントの対象外となる支払いを定めている場合があります。使う前にカード会社の規約を確認しましょう。
- 手数料のほうが大きいことが多い:一般に、手数料率はポイントの還元率より高いことが多いです。ポイント目当てで使うと、損になりやすいです。
ポイントは、手数料の一部が戻ればよい、という程度に考えておくのが無難です。ポイントを含めた実質コストを計算するときは、「手数料-ポイントの価値」を、延びる日数で年率に直します。たとえば、仮に手数料3.0%に対してポイントの価値が1.0%分なら、実質2.0%として計算します。40日延びるなら、2.0÷40×365=18.25%で、年率の目安は約18.3%です。ポイントの価値は、カードや交換先によって変わるため、自社のカードで確かめてください。
他の手段とコストを比べる視点
資金繰りの手段は、請求書カード払いだけではありません。コストを比べるときは、%の大小だけでなく、表示の形と目的の違いも考える必要があります。
| 手段 | コストの表示 | 比べるときの注意 |
|---|---|---|
| 請求書カード払い | 1回あたりの手数料(%) | 延びる日数で年率に直す |
| 融資 | 年率の金利 | 保証料や手数料が別にかかる場合もある |
| ファクタリング | 買取額に対する手数料(%) | 早まる日数で年率に直す |
| BNPL・分割 | 手数料・分割手数料など | 支払いが続く期間を含めて考える |
年率にそろえると、一般に融資の金利がもっとも低いことが多いです。ただし、融資は審査や手続きに時間がかかります。急ぎの支払いには間に合わないこともあります。
そのため、コストだけでなく、スピード、手間、取引先への影響、使える金額の大きさもあわせて比べましょう。請求書カード払いは、手間が少なく急場に使いやすい代わりに、年率で見るとコストが高めの手段、と位置づけられます。目的の違いはBNPL・ファクタリングとの違い、手段全体は手段の比較で整理しています。
請求書カード払いが割安になりやすい場面
年率で見るとコストが高めの請求書カード払いも、場面によっては合理的な選択になります。たとえば、融資の審査を待つ時間がない場合や、必要なのが1〜2か月だけで、借りるほどではない場合です。融資の手続きにかかる手間や時間、保証料などを含めて考えると、短期間・少回数の利用なら、請求書カード払いのほうが負担が軽いと判断できることもあります。期間と回数を区切って使うことが、割安に使う条件です。
コストを抑えるコツ
同じサービスでも、使い方しだいで実質の負担は変わります。コストを抑えるための基本的な考え方を整理します。
- 本当に必要な支払いだけに使う:遅らせなくても払える支払いまでカードに寄せると、手数料だけが増えます。資金繰り表で不足する分を確かめ、必要な金額だけに絞りましょう。
- 締め日の直後に決済する:延びる日数が長いほど、同じ手数料で多くの余裕を買えます。ただし、取引先への振込が期日に間に合う範囲で考えます。
- 少額をまとめすぎない、分けすぎない:最低手数料があるサービスでは、少額の支払いを1件ずつ使うと割高です。一方、請求書をまとめられるかはサービスの決まりによるため、規約を確認しましょう。
- 税込で比べる:非課税と税別の違い、最低手数料の違いを含めて、税込の金額で比べます。
- 利用額が大きいなら条件を確認する:弥生とマネーフォワードは、月間の利用金額によって低い手数料率を案内できる場合がある、としています。継続して大きな金額を使うなら、問い合わせてみる価値があります。
いちばん大きな節約は、使わずに済む状態をつくることです。資金繰り表で数か月先までの不足を早めに見つけられれば、融資など、より低いコストの方法を準備する時間ができます。資金繰り表の書式はテンプレートにあります。
手数料の経理と、注意したい点
手数料の経理処理は、一般に支払手数料などの科目で処理することが多いです。ただし、消費税の扱いはサービスによって違います。freeeは手数料を非課税、マネーフォワードは税別(消費税がかかる)と表示しています。会計処理や消費税の区分は、自社の税理士に確認しましょう。
また、取引先への支払いそのものは、これまでと同じく取引先からの請求書にもとづく支払いです。経理では、取引先への支払いと、カード会社への支払い、手数料を、それぞれ記録しておく必要があります。会計ソフトと連携するサービスでは、この記録を自動で取り込める場合もあります。
向いていない人
- 引落日に払える見込みがない人。カードの支払いが遅れると、カード会社の規約により利用が止まることなどがあります。
- 毎月ずっと使う必要がある人。年間の手数料が積み上がるため、融資などを先に検討しましょう。
- 延びる日数が短い使い方しかできない人。年率が高くなり、割高になりやすいです。
よくある質問
請求書カード払いの手数料はいくらですか?
手数料は誰が払いますか?
年率に直すと何%ですか?
延びる日数はどう数えますか?
ポイントで手数料は相殺できますか?
毎月使うと、どのくらいの負担になりますか?
手数料の消費税はかかりますか?
手数料を安くする方法はありますか?
- freee請求書カード払い(freee株式会社・公式) https://www.freee.co.jp/card/invoice-payment/(2026年10月確認)
- 請求書カード払い by 弥生(弥生株式会社・公式) https://www.yayoi-kk.co.jp/lp/invoicecard/(2026年10月確認)
- マネーフォワード 請求書カード払い(マネーフォワードケッサイ株式会社・公式) https://mfkessai.co.jp/invoice-card-pay/top(2026年10月確認)
本記事は一般的な情報提供で、特定の金融商品の勧誘を目的とするものではありません。条件は事業者や状況により異なります。契約の内容は、専門家にご確認ください。