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融資の金利・返済期間の考え方

資金繰り総研 編集部 ・ 更新 2026.06.17 ・ 約10分で読めます

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第一章この記事の結論と目次◆ ◆ ◆

融資を比べるとき、つい金利の数字だけに目が向きがちです。しかし実際の負担は、借入額・返済期間・返済方式・保証料などの組み合わせで決まります。本記事では、負担を総返済額でとらえる考え方を、計算例を使って整理します。金利の水準は出し手や状況で幅があるため、例の数字はすべて仮のものです。

この記事の結論
  • 負担は金利だけでなく総返済額で比べる
  • 期間を延ばすと毎月は軽く、総額は重くなる
  • 保証料や手数料も含めて実質的な負担を見る
  • 返済は利益と減価償却費の範囲に収める
第二章本文◆ ◆ ◆

融資の負担は「総返済額」で考える

融資の負担は、借りた元本に、利息とそのほかの費用を足した金額です。本記事では、これを総返済額と呼びます。

総返済額=元本+利息+保証料+手数料など

同じ1,000万円を借りても、金利、返済期間、返済の方式によって利息は大きく変わります。保証協会付き融資なら保証料も加わります。金利が少し低くても、期間が長かったり保証料がかかったりすれば、総額は高くなることがあります。

一方で、総額が少ないほど良いとも限りません。毎月の返済が重すぎると、資金繰りが苦しくなります。大切なのは「払いすぎない総額」と「無理のない毎月の負担」のバランスです。この2つを両方見ることが、本記事の基本の考え方です。

決める要素総返済額への影響毎月の返済への影響
借入額大きいほど増える大きいほど重い
金利高いほど増える高いほど重い
返済期間長いほど増える長いほど軽い
据置期間長いほど増える据置中は軽く、その後は重くなる
返済方式元金均等のほうがやや少ない元金均等は初めが重い

なお、借入額は「借りられる額」ではなく「必要な額」から決めます。審査で多めの額を提示されることもありますが、使う予定のないお金にも利息はかかります。反対に、必要な額より少なく借りると、すぐに追加の借入が必要になり、手間と費用が増えることもあります。必要な額を根拠とともに見積もることが、総返済額を抑える第一歩です。

融資全体の位置づけは融資・デットのまとめをご覧ください。

金利の見方(固定・変動と法律の上限)

金利は、借りたお金に対して1年あたりどれだけの利息がかかるかを示す割合です。比べるときは、次の点を確認します。

  • 固定か変動か:固定金利は返済額が読みやすく、変動金利は市場金利の動きで増減します。
  • 表示が幅になっていないか:「年○%〜○%」と幅で示されている場合、実際にどの金利になるかは審査で決まります。
  • 金利以外の費用:保証料、事務手数料、印紙代などがかかるかを確認します。

固定と変動のどちらを選ぶかは、返済の見通しをどれだけ重視するかで考えます。毎月の返済額を確定させて資金繰りを組みたいなら固定金利が合います。金利の上昇に耐えられる余裕があり、当初の金利の低さを重視するなら変動金利も選択肢です。どちらを選んでも、借りる前に「金利が上がった場合」の返済額を確認しておくと安心です。

公的機関の金利の例

日本政策金融公庫(国民生活事業)は金利を公表しています。たとえば令和8年10月1日現在、無担保で税務申告を2期終えている方の基準利率は年4.05〜5.65%です。公庫は、利率は使いみち、返済期間、担保の有無などで異なり、実際の借入金利(固定)は記載と異なる場合があるとしています。金融機関や商品によって水準は違うため、一律の相場として見るのではなく、同じ条件で見積もりを取って比べることが大切です。

法律で決まっている上限

お金の貸し借りの利息には、利息制限法で上限が定められています。元本の額に応じて、次の利率を超える部分は無効とされます。

元本の額上限の利率(年)
10万円未満20%
10万円以上100万円未満18%
100万円以上15%

同法では、礼金、割引金、手数料、調査料など、名目を問わず貸し手が受け取る元本以外のお金は、原則として利息とみなされます(契約の締結や弁済の費用は除く)。また、返済が遅れたときの損害金(遅延損害金)の予定は、上限の利率の1.46倍を超える部分が無効とされています。極端に高い手数料を求められた場合は、契約前に内容をよく確認しましょう。

元利均等と元金均等の違い

返済の方式には、主に元利均等返済と元金均等返済があります。日本政策金融公庫も、元金均等返済、元利均等返済、ステップ(段階)返済などがあると案内しています。

項目元利均等返済元金均等返済
毎月の返済額元金と利息の合計が毎月ほぼ同じ元金が毎月同じで、利息が徐々に減る
初めの負担比較的軽い比較的重い
利息の総額やや多いやや少ない
向きやすい場面毎月の支出を一定にしたい初めから返済の余裕があり、総額を抑えたい

ステップ返済とは

ステップ(段階)返済は、返済額を途中で段階的に変える方式です。たとえば、売上が立ち上がるまでの最初の期間は返済額を小さくし、その後に増やすといった組み方です。資金繰りに合わせやすい一方、後半の負担が重くなり、利息の総額も増えやすい点に注意が必要です。利用できるかどうかや条件は、金融機関に確認します。

計算例:1,000万円・年2.0%・5年(60回)

方式毎月の返済額利息の総額
元利均等約175,300円(毎月同じ)約516,700円
元金均等初回 約183,300円 → 最終回 約166,900円約508,300円

※年2.0%は説明のための仮の金利です。月利は年利÷12で計算した概算で、実際は端数処理や返済日により異なります。

この例では、元金均等のほうが利息は約8,300円少なくなります。その代わり、最初の月の返済額は約8,000円多くなります。差は大きくありませんが、借入額が大きく期間が長いほど差は広がります。元金均等は、返済が進むほど毎月の負担が軽くなるため、将来の売上の伸びに自信がない場合にも安心感があります。反対に、開業直後など初めの資金繰りが厳しい時期は、元利均等のほうが合うことがあります。

返済期間と総返済額の関係

返済期間は、毎月の返済額と総返済額の両方を左右します。同じ1,000万円・年2.0%・元利均等返済で、期間だけを変えてみます。

返済期間毎月の返済額利息の総額
3年(36回)約286,400円約311,300円
5年(60回)約175,300円約516,700円
7年(84回)約127,700円約724,600円
10年(120回)約92,000円約1,041,600円

※年2.0%・元利均等返済の概算です。

3年から10年に延ばすと、毎月の返済額は約3分の1になります。一方で、利息の総額は3倍以上に増えます。期間を延ばせば毎月は楽になりますが、その分だけ利息を払う期間も延びるからです。

期間を決めるときの目安

  • 設備資金:設備を使う期間(耐用年数)より長く借りないのが一般的な考え方です。設備が使えなくなった後も返済が残ると、次の投資がしにくくなります。
  • 運転資金:売上の回収と支払いのずれを埋める資金なので、設備資金より短い期間になることが多いです。
  • 資金繰りとの関係:毎月の返済額が、毎月のお金の増え方(利益+減価償却費)に収まるかを確認します。

なお、公庫の新規開業・スタートアップ支援資金では、返済期間は設備資金20年以内、運転資金10年以内と定められています。制度ごとに上限があることも確認しておきましょう。

金利差でどれだけ変わるか

金利のわずかな差も、総額にすると無視できない金額になります。1,000万円・5年(60回)・元利均等返済で、金利だけを変えてみます。

金利(年)毎月の返済額利息の総額
1.5%約173,100円約385,900円
2.0%約175,300円約516,700円
2.5%約177,500円約648,400円
3.0%約179,700円約781,200円

※いずれも仮の金利による概算です。

金利が0.5%違うと、この条件では利息の総額が約13万円変わります。毎月の返済額の差は約2,200円と小さく見えますが、5年間積み重なると大きな差になります。

ただし、金利の差だけで判断するのは危険です。金利が低くても保証料がかかる場合や、審査に時間がかかって必要な時期に間に合わない場合もあります。保証料を含めた比べ方は次の節で、保証付き融資とプロパー融資の具体的な比較はプロパー融資と保証協会付き融資の違いで解説しています。

据置期間・保証料・手数料も含めて考える

据置期間

据置期間は、元金の返済を待ってもらい、利息だけを払う期間です。1,000万円・年2.0%・返済期間5年のうち、最初の1年を据置にした場合を計算します。

返済の組み方毎月の返済額利息の総額
据置なし(元利均等60回)約175,300円約516,700円
据置1年+元利均等48回据置中 約16,700円、その後 約217,000円約613,700円

※年2.0%の仮の金利による概算です。

据置中の負担はとても軽くなりますが、その後の毎月の返済は約4万円重くなり、利息の総額も約9.7万円増えます。据置は、開業直後や設備の稼働前など、売上が立つまでの期間に合わせて使うのが基本です。

信用保証料

保証協会付き融資では、金利とは別に信用保証料がかかります。東京信用保証協会は、均等分割返済の場合の計算式を「貸付金額×保証料率×保証期間(月数)÷12×分割係数」と示しています。同協会の例では、1,200万円・年1.15%・24か月・分割係数0.60の場合、保証料は165,600円です。保証料は原則として融資の実行時に支払うため、手取り額が減る点にも注意が必要です。

保証料率は決算内容などで決まる区分によって変わり、事前には確定しません。見積もりの段階で保証料の目安を尋ね、利息と合わせた総額で比べるようにしましょう。保証料の仕組みは制度融資の解説でも紹介しています。

手数料など

事務手数料や契約の費用がかかる場合もあります。総返済額を比べるときは、これらも足し合わせます。見積もりを取るときは「金利以外にかかる費用をすべて教えてください」と確認するとよいでしょう。

借りすぎを避ける考え方

総返済額に最も大きく影響するのは、そもそもいくら借りるかです。必要以上に借りれば、その分だけ利息も増えます。

返済の原資で上限を考える

一般に、借入の返済にあてられるお金は「税引後の利益+減価償却費」と考えます。たとえば、この合計が年300万円の会社なら、すべての借入の年間返済額(元金部分)を300万円の範囲に収めるのが一つの目安です。実際には、売上の落ち込みや急な支出に備えて、さらに余裕を残しておくほうが安心です。

もう一つの見方は、毎月の返済額と、毎月のお金の増え方を比べることです。たとえば、毎月の利益と減価償却費の合計が平均40万円の会社が、毎月35万円を返済に回すと、手元に残るのは5万円です。売上が少し落ちただけで、返済のために手元資金を取り崩すことになります。毎月の返済額は、ある程度の余裕を残せる水準に抑えておくと安心です。

借りすぎを防ぐチェック

  • 使途を具体化する:何にいくら必要かを明確にし、理由のない上乗せをしない。
  • 既存の返済も足す:新しい借入だけでなく、今ある借入やリースの支払いも合わせて考える。
  • 悪いケースで試す:売上が計画の8割になっても返せるかを試算する。
  • 手元資金を残す:万一に備える資金まで返済にあてない。

毎月の返済が利益を圧迫すると、追加の借入を招く悪循環になりかねません。必要な運転資金の目安は必要運転資金の計算ツールで試算できます。月ごとの入出金は資金繰り表で確認しましょう。

繰上返済と変動金利の注意点

繰上返済の考え方

繰上返済をすると、残りの元本が減り、その後の利息を抑えられます。1,000万円・年2.0%・5年の元利均等返済で、2年(24回)払った時点で残りを一括返済する場合を考えます。

  • 24回払った時点の残高:約612万円
  • それまでに払った利息:約32.6万円
  • 最後まで返済した場合の利息総額:約51.7万円
  • 繰上返済で払わずに済む利息:約19.1万円(手数料などは考慮しない)

利息は減りますが、約612万円の手元資金が一度に出ていきます。手元資金が薄くなると、急な支出に対応できなくなります。一度返したお金は、必要になっても同じ条件ですぐに借りられるとは限りません。繰上返済の手数料の有無や、保証付き融資の場合の保証料の返戻の有無も確認したうえで、手元に余裕がある範囲で検討しましょう。

変動金利の注意点

変動金利は、市場金利の動きに合わせて金利が見直されます。借りた時点の金利が低くても、将来上がる可能性があります。変動金利で借りる場合は、金利が1%上がったら返済額がいくら増えるかを試算しておくと安心です。「金利差でどれだけ変わるか」の表では、1,000万円・5年の場合、金利が1.5%から2.5%に上がると利息の総額が約26万円増えます。

自分で試算する手順

提示された条件を受け取ったら、自分でも総返済額を試算してみましょう。表計算ソフトがあれば、次の手順で計算できます。

  1. 月利を出す:年利を12で割ります。年2.5%なら、0.025÷12=約0.00208です。
  2. 毎月の返済額を出す:元利均等返済の場合、毎月の返済額=元本×月利÷(1−(1+月利)のマイナス回数乗)で求めます。表計算ソフトのPMT関数でも計算できます。
  3. 利息の総額を出す:毎月の返済額×回数−元本です。
  4. 費用を足す:保証料、手数料など、金利以外の費用を足します。
  5. 資金繰りに当てはめる:毎月の返済額を資金繰り表に入れ、残高がマイナスにならないかを確認します。

計算例:500万円・年2.5%・3年(36回)

項目計算結果
月利2.5%÷12約0.208%
初月の利息500万円×約0.208%約10,400円
毎月の返済額元利均等の式で計算約144,300円
利息の総額約144,300円×36回−500万円約195,000円

※仮の金利による概算です。実際は返済日や端数処理で数円〜数百円ずれることがあります。

金融機関から返済予定表を受け取ったら、自分の試算と大きくずれていないかを確かめましょう。ずれが大きい場合は、手数料や保証料が含まれていないか、据置期間の扱いが違わないかを確認します。公庫のサイトにも返済シミュレーションがあります。

複数の融資を比べるコツ

複数の融資を比べるときは、同じ条件にそろえるのが鉄則です。借入額や期間がばらばらのまま金利の数字だけを並べても、実質的な負担は比べられません。

そろえる項目理由
借入額額が違えば利息も違う
返済期間・据置期間期間が長いほど利息は増える
返済方式元利均等と元金均等で利息は変わる
金利のタイプ固定か変動かで将来の見通しが変わる
付随費用保証料・手数料を含めて実質の負担を見る

融資以外の手段と比べるとき

ファクタリングやビジネスローンなど、融資以外の手段と比べる場合は、費用を年率に直して比べると分かりやすくなります。たとえば手数料が数%でも、期間が1〜2か月と短ければ、年率に直すと高い水準になることがあります。ファクタリング年率計算ツールで確認できます。実質年率の用語解説もあわせてご覧ください。

出し手ごとの違いは融資先の図鑑、返済負担を含めたビジネスローンの考え方はビジネスローンのメリット・注意点で整理しています。急ぎの場面では比較・診断で全体像を確認しましょう。最終的な金利・費用は、各社の公式情報と窓口で必ず確認してください。

返済が遅れた場合の負担

返済が遅れると、遅延損害金がかかります。たとえば日本政策金融公庫は、遅延損害金の割合を年9.10%(令和8年4月1日から令和9年3月31日までの貸付け)と公表しています。遅れが見込まれるときは、延滞する前に金融機関に相談しましょう。遅延損害金の目安は遅延損害金の計算ツールで試算できます。

よくある質問

金利の相場はどのくらいですか?
出し手や制度、事業者の状況によって幅があり、一律の相場として断定はできません。たとえば日本政策金融公庫は利率を公表していますが、適用される利率は使いみちや期間、担保の有無で異なります。同じ条件で見積もりを取って比べるのが確実です。
元利均等と元金均等はどちらが得ですか?
利息の総額は元金均等のほうがやや少なくなります。ただし元金均等は最初の返済額が重くなります。初めの資金繰りに余裕があるかで選ぶのが基本です。
返済期間は長いほうが安全ですか?
毎月の返済は軽くなりますが、利息の総額は増えます。設備資金なら設備を使う期間を超えない範囲で、毎月の返済が利益と減価償却費の範囲に収まる期間を選ぶのが一般的な考え方です。
繰上返済は得ですか?
残りの利息を抑えられる場合がありますが、手元資金が減り、急な支出に対応しにくくなります。手数料の有無や保証料の返戻も確認し、資金繰りに余裕がある範囲で検討するのが基本です。
変動と固定はどちらが良いですか?
一概には言えません。固定は返済額が読みやすく、変動は金利の動きで増減します。返済の見通しの立てやすさと、金利が上がった場合に耐えられるかを考えて選びます。
手数料は金利に含まれますか?
利息制限法では、礼金や手数料など名目を問わず貸し手が受け取る元本以外のお金は、原則として利息とみなされます(契約締結や弁済の費用は除く)。比べるときは手数料も含めた総額で見ましょう。
保証料も総返済額に含めるべきですか?
含めるべきです。保証協会付き融資では金利と別に信用保証料がかかり、融資の実行時に支払うのが一般的です。金利だけで比べると、実際の負担を見誤ることがあります。
出典・参考
  • 日本政策金融公庫「金利情報 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】」(令和8年10月1日現在) https://www.jfc.go.jp/n/rate/index.html(2026年10月確認)
  • 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html(2026年10月確認)
  • 日本政策金融公庫「お申込からご融資の流れ(国民生活事業・創業)」 https://www.jfc.go.jp/n/finance/flow/tetsudukij_c.html(2026年10月確認)
  • e-Gov法令検索「利息制限法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100(2026年10月確認)
  • 東京信用保証協会「信用保証料の計算例」 https://www.cgc-tokyo.or.jp/business/guarantee_fee/calculation.html(2026年10月確認)

本記事は一般的な情報提供で、特定の金融商品の勧誘を目的とするものではありません。条件は事業者や状況により異なります。契約の内容は、専門家にご確認ください。

第三章次の一歩◆ ◆ ◆
無料相談

どの方法が合うか、迷ったら相談する。

状況を伺い、融資・ファクタリング・リース・補助金などから、合う方法をご案内します。

第四章この記事をつくった編集部◆ ◆ ◆
資金繰り総研 編集部

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