4 分で読める資金繰り総研 編集部
SUMMARY
受託開発・SES(システム開発の請負・準委任)の資金繰りは、「人件費は毎月先に出るのに、入金は検収後・サイト後」という時間差との戦いです。エンジニアの給与は待ってくれない一方、開発代金は数か月先――このズレを設計で埋められるかが、IT受託の経営を左右します。本記事では、受託・SES特有の資金ギャップと対策を解説します。
IT受託はなぜお金が詰まるの?
給与は毎月先に出るのに、受託は検収まで無収入、SESは入金サイトの分だけ遅れるからです。人を増やすほど立て替えが膨らみます。
| 形態 | 入金のタイミング | 資金繰りの課題 |
|---|---|---|
| 受託開発(請負) | 検収後に一括が多い(開発期間中は無収入) | 開発数か月分の人件費を立替 |
| SES(準委任) | 月次請求だが入金サイトは翌月〜翌々月 | 給与先行+多重下請けで入金が遅延 |
どちらも共通するのは、給与(固定費)は毎月必ず先に出ること。受託は検収まで無収入、SESは入金サイトの分だけ給与が先行します。人を増やすほど(=成長するほど)この立替が膨らむのが、IT受託の資金繰りの難しさです。
受託開発の資金ギャップはどう埋める?
着手金・中間金を設定して分割で受け取るのが最重要策です。工程ごとの請求や、検収基準と期限を契約で決めることも有効です。
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3か月の開発案件で、検収後一括入金の場合――その3か月間、エンジニアの給与・外注費は毎月出ていきますが、売上はゼロ。着手金が無いと、3か月分の人件費を全額立て替えることになります。大型案件ほど、受注=資金需要の急増です。
SESの入金を早めるには?
元請けや直取引を増やして商流を浅くし、翌々月払いを翌月払いにする交渉をします。稼働月と入金月は資金繰り表で追います。
SESは月次で請求できる分マシですが、客先の入金サイト(翌月末・翌々月末)と、毎月の給与支払いのズレが残ります。さらに多重下請け構造だと、商流が深いほど入金が遅れがちです。
検収待ち・入金サイト待ちの売掛金があれば、ファクタリングで早期資金化し、給与支払いの谷を埋める方法もあります。IT受託は取引先が上場企業・大手SIerであることも多く、その場合は売掛先の信用が高く資金化しやすい傾向です。自社に合う方法は無料診断で整理してください。
請負で検収後一括入金の場合、開発期間中(数か月)は無収入のままエンジニアの給与を立て替えます。人を増やすほどこの立替が膨らみ、黒字でも資金が足りなくなります。
少なくとも開発期間中の人件費の一部をカバーできる着手金・中間金を設定するのが、受託の資金繰りを安定させる最重要策です。
ただし客先の入金サイト(翌月〜翌々月)と毎月の給与のズレは残り、多重下請けだと入金がさらに遅れます。元請け・直取引を増やすほど入金が早まり単価も上がります。
検収条件が曖昧だと、些細な指摘で入金が先送りされ続けます。すでに検収待ちで資金が苦しい場合は、その売掛金を早期資金化して給与の谷を埋める方法もあります。
ファクタリングの審査は売掛先(取引先)の信用力を重視します。上場企業や大手SIerが取引先なら支払いが堅いと評価され、資金化しやすく手数料も低くなりやすい傾向です。検収後・入金待ちの売掛金をつなぎ資金にできます。
受託開発・SESの資金繰りは「人件費先行 × 入金後ろ倒し」のズレとの戦いです。受託は着手金・中間金・マイルストン分割で、SESは元請け直取引と入金サイト短縮で、立替期間を縮めるのが王道。人を増やすほど立替が増える構造を意識し、増員・大型受注の前に資金繰り表でシミュレーションしましょう。検収・入金待ちの売掛金は早期資金化で谷を埋められます。
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