法人の税金が払えない時の対処法|納税の猶予・換価の猶予と延滞税の軽減
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法人税・消費税・源泉所得税、法人住民税や事業税、そして社会保険料。納付書に書かれた金額を口座残高が下回ったとき、多くの経営者は「とりあえず少し遅らせよう」と考えます。ただ、税金は取引先への支払いとは仕組みが違います。納期限を過ぎた翌日から延滞税(地方税は延滞金)が自動的にかかり、督促状を経て財産の差押えへと法律で決められた手順が進みます。一方で、国・自治体・年金事務所には「一度に払えない事業者」のための猶予制度が用意されており、納期限前後の早い段階で申請すれば、分割納付と延滞税の軽減を受けられる可能性があります。
本記事は、税金全般が払えないときの「親ガイド」です。消費税、決算期の納税資金、滞納中の資金調達といった個別テーマは、それぞれの詳しい記事へ案内します。資金繰り全体の立て直し方は資金繰り改善の総合ガイドにまとめています。
この記事の結論
- 税金が払えないと分かったら、納期限前に所轄の税務署(徴収担当)へ電話で相談するのが最もコストの低い打ち手です。国税の「換価の猶予」は納期限から6か月以内の申請が要件で、申請日から延滞税が軽減されます。
- 猶予が認められると、原則1年以内の分割納付になり、猶予期間中の延滞税は令和8年(2026年)分で年1.3%に軽減されます(通常は年2.8%、2か月経過後は年9.1%)。地方税は自治体、社会保険料は年金事務所が窓口で、それぞれ別に申請します。
- 放置すると、督促状の発送から10日を過ぎた時点で差押えの要件がそろいます。融資やファクタリングで一括納付する前に、まず猶予で「分割の枠」を確保し、そのうえで足りない分を資金手段で埋める順番が基本です。
30秒判断表:あなたの状況と、まずやること
| あなたの状況 | まずやること | 向かない手段 |
|---|---|---|
| 納期限はまだ先。払えそうにないと分かった | 所轄税務署の徴収担当へ電話相談し、換価の猶予の申請準備(資金繰り表・通帳) | 何もせず納期限を迎えること |
| 納期限を過ぎたが6か月以内。他の国税の滞納はない | すぐに換価の猶予を申請(申請日から延滞税が軽減) | 高コストの資金で一括納付だけを考えること |
| 納期限から6か月超、または他にも滞納がある | 税務署に連絡し、職権による換価の猶予など個別対応を相談 | 督促状・催告書を開封せず放置すること |
| 災害・病気・休廃業・著しい損失があった | 納税の猶予(国税通則法46条)の該当可否を相談 | 事情を説明しないまま分納を申し出ること |
| 法人住民税・事業税が払えない | 都道府県税事務所・市区町村の納税窓口に相談(国税とは別申請) | 税務署に申請すれば地方税も済むと考えること |
| 社会保険料が払えない | 管轄の年金事務所へ相談(換価の猶予は納期限から6か月以内に申請) | 給与の天引き分を運転資金に回し続けること |
| 猶予の分割額でも資金が足りない | 資金繰り表を作り直し、公庫・保証協会・銀行に相談。売掛金がある場合はファクタリングも比較 | 給与ファクタリング・闇金など違法・グレーな手段 |
実額シミュレーション:放置・猶予・資金調達でいくら違うか
例:3月決算の法人で、法人税等の納付額が600万円。手元資金では一度に払えず、6か月かけて払い切る計画とします。延滞税の割合は国税庁が公表している令和8年(2026年)分の値(2か月以内 年2.8%、2か月経過後 年9.1%、猶予期間中 年1.3%)を使い、1か月を約30日、2か月を61日として概算します。実際の延滞税は本税の1万円未満切り捨て・延滞税の100円未満切り捨てなどの端数処理があり、金額は少しずれます。
| パターン | 払い方 | 延滞税・コスト(概算) | 差押えリスク |
|---|---|---|---|
| A. 放置して6か月後に一括 | 183日後に600万円 | 600万円×2.8%×61/365+600万円×9.1%×122/365=約21.1万円 | 高い(督促後10日経過で差押えの要件がそろう) |
| B. 猶予なしで毎月100万円ずつ | 30・61・91・122・152・183日後に各100万円 | 約10.1万円 | 残る(猶予の許可がないため) |
| C. 納期限までに換価の猶予を申請し毎月100万円 | Bと同じ日程 | 100万円×1.3%×(30+61+91+122+152+183)/365=約2.3万円 | 猶予期間中は差押え・換価が猶予される |
| D. 融資で一括納付(例:年2.0%と仮定) | 納期限に600万円、融資は6か月後に一括返済 | 600万円×2.0%×0.5年=6万円(別途保証料等がかかる場合あり) | 税は完納。ただし審査に時間がかかる |
| E. 2社間ファクタリングで一括納付(例:手数料率10%と仮定) | 売掛金約667万円を売却して600万円を調達 | 約66.7万円 | 税は完納。ただし本業の入金を前借りする |
※数値はすべて解説用の例です。融資金利・ファクタリング手数料は条件により大きく変わります。
この例で分かるのは2点です。第一に、同じ「6か月で払い切る」でも、猶予の申請をするかどうかで延滞税は約10.1万円と約2.3万円で4倍以上の差が出ます。第二に、ファクタリングで一括納付するコスト(例では約66.7万円)は、猶予を使った分割の延滞税(約2.3万円)を大きく上回ります。ファクタリングを否定するわけではありませんが、税金の支払いに使う場合は「猶予で足りない分を埋める」位置づけにした方が負担は小さくなります。
仕組みと優先順位:何から手を付けるか
- 払えない税目・金額・納期限を一覧にする。法人税、消費税、源泉所得税(国税)、法人住民税・事業税(地方税)、社会保険料は窓口がすべて異なります。どれがいつ、いくら不足するのかを先に書き出します。
- 資金繰り表で「払える額」を出す。国税庁のFAQでは、一時に納付できるかどうかは「手元資金−当面の資金繰りに必要な額」で判断し、一般的には1か月以内に支出が予定されている事業資金は納税資金から除外するとしています。3〜6か月先の資金繰り予測があると相談がスムーズです(資金繰り予測の立て方)。
- 納期限前に各窓口へ電話する。国税は所轄税務署の徴収担当、地方税は都道府県税事務所や市区町村、社会保険料は年金事務所です。税務署は相談時間と持参資料の案内のため事前連絡を求めています。
- 猶予を申請する。国税はe-Taxまたは郵送・持参で申請できます。100万円以下なら「財産収支状況書」、100万円超なら「財産目録」と「収支の明細書」を添付します。
- 分割額でも足りない分を資金手段で埋める。公的融資・保証協会付き融資・銀行と順に当たり、売掛金があればファクタリングも比較します。
- 次の納税に備えて積み立てる。国税庁の「予納ダイレクト」(法人税・消費税なども対象)や、消費税の任意の中間申告制度を使うと、納税資金を毎月分散できます。
国税の猶予制度:換価の猶予と納税の猶予
国税庁の案内では、国税の猶予制度は「一時に納付をすることにより事業の継続や生活が困難となるときや、災害で財産を損失した場合などの特定の事情があるとき」に、税務署に申請することで原則1年以内の期間に限り納税が猶予される制度です。種類は大きく換価の猶予(国税徴収法151条・151条の2)と納税の猶予(国税通則法46条)の2つです。猶予は税金そのものの免除ではなく、すでに納めた税金の返還も受けられません。また、申請しなければ自動的には適用されません。
換価の猶予(申請によるもの):資金繰りが理由のときの基本ルート
特別な事情がなく「単にお金が足りない」法人が主に使うのがこちらです。次の要件をすべて満たす場合に認められます。
- 国税を一時に納付することで、事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがあると認められる
- 納税について誠実な意思を有すると認められる
- 猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がない
- 納付すべき国税の納期限から6か月以内に申請している
- 原則として担保の提供がある
国税庁のFAQでは、黒字の法人でも要件を満たせば猶予は受けられるとされています。決算は黒字でも売掛金の入金が遅れて現金が足りない、といった状況も対象になりえます。
既に滞納がある場合や、納期限から6か月を超えた場合でも、税務署長の職権による換価の猶予(国税徴収法151条)を受けられる場合があります。申請期限を過ぎていても、まず税務署に連絡することが先決です。
納税の猶予:災害・病気・休廃業・著しい損失があったとき
国税通則法46条の納税の猶予は、次のような個別の事情によって一時に納付できない場合に、その金額を限度として認められます。
- 財産について災害を受け、または盗難に遭った
- 納税者本人または生計を同じにする家族が病気にかかった
- 事業をやむを得ず休廃業した
- 事業について利益の減少等により著しい損失を受けた
- 本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告などで納付すべき税額が確定した(この場合は修正申告などの納期限までに申請)
換価の猶予と違い、猶予を受けようとする国税以外に滞納している国税があっても申請できます。なお、納期限前に震災・風水害・火災などで財産に相当な損失(原則として被害額が全資産額のおおむね20%以上)を受けた場合は、担保不要で、猶予期間中の延滞税が免除される別の類型があります。
期間・担保・必要書類
| 項目 | 内容(国税) |
|---|---|
| 猶予期間 | 原則1年以内。財産や収支の状況に応じ、最も早く完納できる期間で決まる。やむを得ない理由があれば延長あり(さらに1年=最長2年) |
| 納め方 | 通知書に記載された分割納付金額を、各分割納付日までに納める。e-Taxの「ダイレクト分納」で口座引き落としも可能(事前に徴収担当との納付相談が必要) |
| 担保 | 原則必要。ただし猶予額100万円以下、猶予期間3か月以内、提供できる担保がない場合は不要 |
| 申請書類 | 換価の猶予申請書または納税の猶予申請書。100万円以下は財産収支状況書、100万円超は財産目録と収支の明細書 |
| あると早い資料 | 元帳・売上帳など収支状況が分かる書類、現金出納帳、預金通帳 |
| 提出方法 | e-Tax(スマートフォンからも可)、郵送、持参。税理士による代理申請も可能 |
地方税や社会保険料で先に猶予を申請している場合、その申請書や財産収支状況書の写しを添付すると、国税の申請で一部の記載や書類を省略できると国税庁FAQに記載があります。窓口が複数あるときは、1か所目で作った資料を使い回せます。
延滞税の仕組みと、猶予による軽減
延滞税は、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて自動的に課される、利息に相当する税金です。割合は毎年変わり、国税庁が公表している令和3年以降の値は次のとおりです。
| 期間 | 納期限の翌日から2か月以内 | 2か月経過後 | 猶予期間中(事業廃止等による納税の猶予・換価の猶予など) |
|---|---|---|---|
| 令和7年(2025年) | 年2.4% | 年8.7% | 年0.9% |
| 令和8年(2026年) | 年2.8% | 年9.1% | 年1.3% |
※2か月以内・2か月経過後は国税庁「延滞税の割合」、猶予期間中の割合は財務省「延滞税・利子税・還付加算金について」に掲載の猶予特例基準割合(平均貸付割合+0.5%)。災害・病気等による納税の猶予は猶予期間中の延滞税が全額免除される場合があります。割合は年ごとに改定されるため、最新は国税庁・財務省の公表値で確認してください。
押さえておきたいのは、軽減が始まるタイミングです。国税庁FAQによると、延滞税は猶予が許可された日ではなく申請日から軽減・免除されます。逆に、納期限を過ぎてから申請すると、納期限の翌日から申請日の前日までは通常の延滞税がかかります。換価の猶予は6か月以内なら申請できますが、早いほど負担は小さくなります。
地方税(法人住民税・事業税)は自治体窓口へ
法人住民税・法人事業税・特別法人事業税などの地方税は、国税とは別の制度・別の窓口です。税務署で国税の猶予を受けても、地方税の分は自動的には猶予されません。都道府県税(法人事業税・法人都道府県民税)は都道府県税事務所、法人市町村民税は市区町村の納税課などに相談します。
地方税にも、災害・病気・事業の休廃業などを理由とする「徴収猶予」と「申請による換価の猶予」があります。大阪府の案内では、換価の猶予は納期限から6か月以内の申請が必要で、期間は1年以内、猶予額100万円以下または期間3か月以内なら担保不要とされており、国税とほぼ同じ骨格です。ただし細かな運用は各自治体の条例で定められているため、申請様式や必要書類は自治体ごとに確認してください。
地方税の延滞金は、国税と区切りが異なり、納期限の翌日から1か月までが年2.8%、1か月経過後が年9.1%(令和8年、千葉県・世田谷区の案内)です。世田谷区は、徴収猶予・換価の猶予を受けた場合の猶予期間中の割合を年1.3%と案内しています。
社会保険料が払えないときは年金事務所へ
厚生年金保険料・健康保険料(協会けんぽ)なども、日本年金機構に猶予制度があります。一時に納付すると事業の継続等を困難にするおそれがあり、納付に誠実な意思があると認められるなどの要件を満たす場合、納期限から6か月以内に管轄の年金事務所へ申請することで換価の猶予が認められる場合があります。認められると財産の差押えや換価が猶予され、猶予期間中の延滞金の一部が免除されます。災害で事業所の財産に相当な損失を受けた場合などは「納付の猶予」の対象になりえます。
社会保険料も、滞納すれば督促状が発せられ、国税滞納処分の例により処分されると厚生年金保険法86条に定められています。社会保険料には従業員の給与から天引きした本人負担分が含まれるため、運転資金への流用が続く状態は早く解消すべきです。滞納中の資金手段の考え方は社会保険料を滞納しているときの資金調達で詳しく扱っています。
放置した場合:督促から差押えまでの流れ
猶予を申請せずに納期限を過ぎた場合、国税では次の順で手続きが進みます。
| 段階 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1. 納期限の翌日 | 延滞税が日数に応じて自動的に発生 | 国税庁 タックスアンサーNo.9205 |
| 2. 督促状 | 原則として納期限から50日以内に税務署長が督促状を発する | 国税通則法37条 |
| 3. 差押え | 督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないとき、徴収職員は財産を差し押さえなければならない | 国税徴収法47条 |
| 4. 換価 | 差し押さえた財産を売却(公売など)して税金に充てる | 国税徴収法 |
実務では督促の後に電話や文書での催告が入ることが多いものの、法律上は督促から10日を過ぎれば差押えの要件がそろいます。差押えの対象には預金や売掛金も含まれます。売掛金が差し押さえられると、取引先に滞納の事実が伝わり、取引関係そのものに影響するおそれがあります。法人にとって延滞税以上に重いのはこの点です。
融資・保証協会・ファクタリングとの関係
滞納は融資審査に影響する
東京信用保証協会は、保証を取り扱えないケースとして「税金を滞納し完納の見通しが見込めない」場合を明記しています。逆に読めば、猶予を受けて計画どおりに分割納付しているなど、完納の見通しを示せるかどうかが分かれ目になります。保証協会付き融資や制度融資の仕組みは制度融資とは、プロパー融資と保証協会付き融資の違いで解説しています。
また、金融機関から納税証明書の提出を求められることがあります。国税庁FAQによると、猶予中の国税があると、納税証明書(その1)の備考欄に猶予中である旨と猶予期限が記載され、「未納の税額がないこと」の証明である納税証明書(その3)は、猶予の適用を受けている税目については発行されません。一方、所得金額の証明(その2)や、滞納処分を受けたことがない証明(その4)は猶予中でも発行されます。猶予は「隠せるもの」ではありませんが、「滞納処分を受けていない」ことは証明できる、という位置づけです。
日本政策金融公庫の個別の審査基準は公表されていないため、本記事では断定しません。申込時に決算書・申告書などを提出する以上、納税状況は確認されうる前提で、猶予の許可通知書と分割納付の計画を添えて正直に相談するのが現実的です。融資が通りにくいときの代替策は融資が借りられない時の代替手段にまとめています。
ファクタリングは「猶予で足りない分」に限って比較する
ファクタリングは売掛金の売却なので、借入審査とは別の基準で判断され、税金を滞納中でも利用できる場合があります(詳しくは税金滞納中でも使えるファクタリング)。ただし、シミュレーションのとおり手数料は延滞税の軽減後の負担より高くなりがちです。また、すでに売掛金が差し押さえられている場合、その債権は売却できません。手数料の目安は手数料が安いファクタリング業者、仕組みは2社間ファクタリングの解説で確認してください。
給与ファクタリング(個人の給与債権の買取)や、ファクタリングを装った貸付、闇金は、使うべきではありません。業者の見極め方は違法ファクタリング業者の見分け方を参照してください。
比較:税金が払えないときの手段
| 手段 | 使える条件 | 費用 | 期間の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 国税の換価の猶予 | 一時納付で事業継続が困難、誠実な意思、他の国税滞納なし、納期限から6か月以内 | 猶予期間中の延滞税が軽減(令和8年は年1.3%) | 原則1年以内(延長で最長2年) | 100万円超・3か月超は原則担保が必要 |
| 国税の納税の猶予 | 災害・病気・休廃業・著しい損失など | 延滞税の免除または軽減 | 原則1年以内(延長あり) | 事情と納付困難の因果関係を説明する |
| 地方税の徴収猶予・換価の猶予 | 国税とほぼ同様(自治体条例による) | 猶予期間中の延滞金が全額または一部免除 | 原則1年以内 | 国税とは別申請。窓口は自治体 |
| 社会保険料の換価の猶予 | 一時納付で事業継続が困難など、納期限から6か月以内 | 猶予期間中の延滞金の一部免除 | 1年以内 | 窓口は年金事務所 |
| 公庫・保証協会付き融資・銀行 | 返済能力と完納の見通しが説明できること | 金利・保証料 | 審査に数週間かかることがある | 滞納中は不利。猶予と計画をセットで示す |
| ファクタリング | 売掛金がある(差押え前) | 手数料(融資より高くなりがち) | 比較的短い | 違法業者・給与ファクタリングは避ける |
ケース別の考え方
例:建設業A社(年商2億円):決算後の法人税と消費税が重なった
例:法人税等400万円と消費税300万円の納期限が同じ月。工事代金の入金は翌々月。この場合、まず両方を税務署に相談し、換価の猶予で入金月に合わせた分割計画を組みます。消費税は預かった税金のため、次期以降は毎月積み立てる設計に切り替えます。消費税特有の論点は消費税が払えない時の対処法、決算期の納税資金の作り方は決算期の納税資金が足りない時の対処法で扱っています。
例:IT受託B社(従業員15名):社会保険料と源泉所得税が遅れ始めた
例:検収後入金のため、人件費の支払いが先行して毎月の社会保険料と源泉所得税が後回しになっている。社会保険料は年金事務所、源泉所得税は税務署と窓口が分かれるので、両方に同じ資金繰り表を持って相談します。根本原因は入金サイトのズレなので、請求条件の見直しや売掛金の早期資金化も並行して検討します。
例:飲食C社(3店舗):借入返済と税金の両方が苦しい
例:コロナ期の借入返済が続き、法人住民税・事業税も滞りがち。税金は猶予制度、借入は金融機関とのリスケ(返済条件の変更)と、別々の制度で同時に負担を軽くできます。リスケの進め方は借入金の返済ができない時の対処法、借入が多すぎる場合の整理は複数の借入で首が回らない時の対処法を参照してください。
よくある質問
よくある質問
法人税を分割で払うことはできますか?
猶予制度の許可を受ければ、原則1年以内の期間で分割納付できます。申請しないまま一部ずつ払っても、許可がない状態なので通常の延滞税がかかり、差押えの要件も残ります。まず所轄税務署の徴収担当へ相談してください。
黒字なのに猶予を受けられますか?
国税庁のFAQでは、黒字であっても要件を満たせば猶予が受けられるとしています。判断の基準は損益ではなく、手元資金から当面の資金繰りに必要な額を引いた「納付可能金額」が税額に足りるかどうかです。
納期限を過ぎてしまいました。もう猶予は使えませんか?
国税の換価の猶予は納期限から6か月以内なら申請できます。6か月を過ぎた場合や他に滞納がある場合でも、税務署長の職権による換価の猶予などを検討してもらえる場合があります。延滞税は日々増えるため、できるだけ早く連絡してください。
猶予を受けると延滞税はゼロになりますか?
換価の猶予の場合はゼロにはならず、猶予期間中の割合が軽減されます(令和8年は年1.3%)。災害・病気等による納税の猶予では全額免除される場合があります。割合は毎年変わるため、最新は国税庁・財務省の公表値で確認してください。
税務署で猶予を受ければ、住民税や事業税、社会保険料も猶予されますか?
されません。地方税は都道府県・市区町村、社会保険料は年金事務所がそれぞれ窓口で、別々に申請が必要です。先に作った申請書や財産収支状況書の写しを使うと、国税側で一部の書類を省略できる場合があります。
猶予中でも銀行融資は受けられますか?
可能性はありますが、審査は金融機関ごとの判断です。猶予中の国税は納税証明書(その1)に記載され、未納がないことの証明(その3)は発行されません。猶予の許可通知書と分割納付の計画を示し、完納の見通しを説明できるようにしておくことが大切です。
税金を払うためにファクタリングを使うのはありですか?
猶予を使ってもなお足りない分を埋める手段としては選択肢になります。ただし手数料は延滞税の軽減後の負担より高くなりやすく、売掛金が差し押さえられた後は売却できません。猶予の申請を先に行い、必要額を絞ってから比較してください。
次の行動
税金が払えないと分かった時点で、やることは3つです。①払えない税目・金額・納期限を一覧にする、②資金繰り表で納付可能額を出す、③納期限前に税務署・自治体・年金事務所へ電話する。そのうえで、猶予の分割額でも足りない分を、融資や売掛金の資金化で埋めていきます。
自社に合う資金手段を整理したい場合は60秒無料診断、急ぎで相談したい場合は緊急の資金調達相談またはお問い合わせをご利用ください。資金繰り全体の改善は資金繰り改善の総合ガイドから各テーマに進めます。猶予の申請や税額の判断など個別の事情は、所轄の税務署・自治体・年金事務所、または税理士にご相談ください。
出典
- 国税庁「国税に関する猶予制度のご案内(納税が困難な方)」https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/annai/index.htm(2026年10月確認)
- 国税庁「国税の納税の猶予制度FAQ」(令和6年11月)https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu_konnan/pdf/0021001-141_05.pdf(2026年10月確認)
- 国税庁 タックスアンサーNo.9206「国税を期限内に納付できないとき」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9206.htm(2026年10月確認)
- 国税庁 タックスアンサーNo.9205「延滞税について」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm(2026年10月確認)
- 国税庁「延滞税の割合」https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/entaizei/keisan/entai_wariai.htm(2026年10月確認)
- 財務省「延滞税・利子税・還付加算金について」https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/tins/n04_5.pdf(2026年10月確認)
- e-Gov法令検索「国税通則法」第37条 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066(2026年10月確認)
- e-Gov法令検索「国税徴収法」第47条 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147(2026年10月確認)
- e-Gov法令検索「厚生年金保険法」第86条 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115(2026年10月確認)
- 日本年金機構「厚生年金保険料等の猶予(換価の猶予・納付の猶予)」https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/nofu/kankayuyo.html(2026年10月確認)
- 大阪府「納税の猶予制度について」https://www.pref.osaka.lg.jp/zei/alacarte/yuuyoseido.html(2026年10月確認)
- 千葉県「延滞金・加算金」https://www.pref.chiba.lg.jp/zeimu/aramashi/entaikin.html(2026年10月確認)
- 世田谷区「延滞金」https://www.city.setagaya.lg.jp/02053/255.html(2026年10月確認)
- 東京信用保証協会「ご利用いただけない中小企業とは」https://www.cgc-tokyo.or.jp/business/unable.html(2026年10月確認)
本記事は 資金繰り総研 編集部が制作したものです。資金繰り総研は中小企業・個人事業主のファクタリング業者選びを支援するメディアで、 社の業者を公開情報・提携データをもとに比較・評価しています。
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