4 分で読める資金繰り総研 編集部
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SUMMARY
「資金繰り表」「試算表」「キャッシュフロー計算書」――どれもお金に関わる表ですが、役割はまったく違います。混同したまま使うと、「黒字なのに資金が無い」原因を見誤ります。本記事では、この3つの違いを「いつの数字か」「何のための表か」という視点で整理します。資金繰り表の作り方はこちらをご覧ください。
試算表・CF計算書・資金繰り表の違いは?
試算表は過去〜現在の成績、CF計算書は過去の現金の増減、資金繰り表はこれから先の現金の予測です。未来を見るのは資金繰り表だけです。
| 書類 | 時間軸 | 基準 | 主な目的 |
|---|---|---|---|
| 試算表 | 過去〜現在 | 発生主義 | 今の経営成績・財政状態の把握 |
| キャッシュフロー計算書 | 過去(実績) | 現金主義 | 過去1年の現金の増減と要因の分析 |
| 資金繰り表 | 未来 | 現金主義 | これから先、現金が尽きないかの予測 |
ポイントは、資金繰り表だけが「未来」を見る表だということ。試算表とCF計算書は「過去〜現在」の記録です。資金ショートを防ぐには、過去を記録する書類だけでなく、未来を見る資金繰り表が不可欠なのです。
試算表だけでは何が足りない?
いつ現金が入る・出るかは分かりません。例えば売掛金100万円があっても、入金が3か月後なら、その間の支払いには使えません。
▶ 関連記事:資金繰り表の作り方と改善ポイント|ひな形の考え方つきPROTOCOL Re Finance
試算表は、日々の仕訳を集計して現時点の損益(P/L)と財政状態(B/S)を示すものです。発生主義なので、「売上が立った時点」で売上を計上します(入金前でも計上)。月次で作れば、今期がどれだけ儲かっているか・資産負債がどうなっているかが分かります。
ただし試算表は「いつ現金が入る/出る」までは教えてくれません。売掛金100万円が試算表上の資産にあっても、入金が3か月後なら、その間の支払いには使えないからです。
CF計算書は何を見る書類?
過去1年に現金がどう増減したかを、営業・投資・財務の3区分で示します。事実は見られますが、来月の不足は教えてくれません。
キャッシュフロー計算書(CF計算書)は、過去1年間に現金が実際にどう増減したかを、営業・投資・財務の3区分で示します。上場企業には作成義務がありますが、中小企業では任意です。
CF計算書は現金主義で「事実」を見られますが、あくまで過去の実績。来月のショートは教えてくれません。
資金繰り表にしかできないことは?
これから先、いつ・いくら現金が残るかの予測です。2か月後に資金が薄くなるといった警告を、手を打てるうちに出せます。
資金繰り表は、これから先の入金・支払いを月ごとに並べ、「いつ・いくら現金が残るか」を予測する表です。現金主義で、しかも未来を見る。だからこそ「2か月後に資金が薄くなる」といった警告を、手を打てるうちに出せます。試算表・CF計算書にはできない、唯一の役割です。
黒字なのにお金がないのはなぜ?
試算表では黒字でも、仕入れや経費の支払いが入金より先に来ると、現金は先にマイナスになるからです。資金繰り表との併用が正解です。
この3表の違いが、黒字倒産の正体を説明します。試算表(発生主義)では黒字でも、売上の入金が先・仕入や経費の支払いが先行すると、現金は先にマイナスになる。試算表だけ見ていると気づけず、資金繰り表を見て初めて「来月の現金が足りない」と分かるのです。利益と現金がズレる仕組みは利益と資金が一致しない理由でも詳しく解説しています。
だからこそ、試算表で経営成績を、資金繰り表で資金の未来を――両方を併用するのが正解です。資金繰り表で不足が見えたら、無料診断で打ち手を整理し、急ぎなら売掛金を期日前に資金化するファクタリングも選択肢になります。
資金繰り表は現金主義で「これから先の現金残高」を予測する書類です。試算表が黒字でも、入金が先送りなら資金繰り表上は現金が不足する——この差が黒字倒産の正体です。
キャッシュフロー計算書は「過去の実績」を分析する書類で、来月の資金不足は予測できません。資金繰り表は「未来」を見る唯一の表です。役割が異なるため、過去を見るCF計算書と未来を見る資金繰り表は併用すべきものです。
日々の資金管理にはまず資金繰り表(未来予測)を優先するのが実務的。CF計算書は決算後に1年の現金の動きを振り返る分析ツールとして活用すると良いでしょう。
利益(発生主義)と現金(現金主義)は別物——だから資金繰り表で現金そのものを追う必要があります。
試算表は会計ソフトや税理士が作っていることが多いので、それを横に置きつつ、自社で資金繰り表を作って未来の現金を見える化しましょう。
試算表(今の成績)・キャッシュフロー計算書(過去の現金)・資金繰り表(未来の現金)は、時間軸と目的が異なる別々の道具です。倒産を防ぐのは、未来を見る資金繰り表。試算表が黒字でも安心せず、資金繰り表で先々の現金を確認する習慣が、黒字倒産を防ぎます。
資金繰り表で不足が見えたら、無料診断で打ち手を整理し、急ぎはファクタリング比較やシミュレーターも検討を。会計・税務の判断は必ず税理士・公認会計士にご相談ください。
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