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事業会社からの出資とは

資金繰り総研 編集部 ・ 更新 2026.10.15 ・ 約35分で読めます
投資家を探すSTEP 1
条件を決めるSTEP 2
出資・成長STEP 3

取引先や大企業から「出資したい」と声がかかると、心強く感じる一方で、条件がよくわからず不安になる方も多いはずです。事業会社からの出資は、事業での連携とセットになりやすく、契約の中身によっては次の調達にも影響します。本記事では、CVCとの違い、進め方、公的な指針が示す注意点を整理します。

この記事の結論
  • 事業会社は事業での相乗効果を目的に出資することが多い
  • 出資と業務提携は別々の契約として中身を確かめる
  • 公取委・経産省の指針が問題事例と解決の方向性を示す
  • 持分の大きさと独占的な条件は次の調達に影響する

事業会社からの出資とは

事業会社からの出資とは、投資を本業としない会社が、自社の事業との関係を期待してスタートアップや中小企業の株式を引き受けることです。相手は上場会社のこともあれば、オーナー企業などの非上場会社のこともあります。

経済産業省の「スタートアップの成長に向けたファイナンスに関するガイダンス」は、事業会社の一般的な投資スタンスを「基本的には、事業シナジーを期待し上場後も保有し続ける」と整理しています。サポートの例としても、出資元の事業との相乗効果による事業拡大や、海外展開での販路開拓などを挙げています。上場前後に株式を売却することが多いVCとは、目的と保有期間の考え方が違います。

調達の流れの中での位置づけ

株式での資金調達は「①準備(ピッチ資料・財務計画・バリュエーション)→②アタックリスト作成→③アポ獲得」の順に進みます。事業会社は、ステージを問わずアタック先になり得ますが、事業がある程度形になり、連携の中身を具体的に話せる段階で話が進みやすい傾向があります。リストへの入れ方はアタックリストの作り方を参照してください。

事業会社から出資を受ける主な理由

  • 販路、顧客、製造設備、データなど、自社だけでは得にくい資源を使える
  • 大手との取引実績が、ほかの顧客や投資家への信用につながることがある
  • VCとは違う時間軸で、長く株主でいてくれる可能性がある

一方で、出資者が取引先でもあるため、力関係が偏りやすい点に注意が必要です。この点は後の章で、公的な指針をもとに詳しく見ていきます。

向いている場合・慎重に考えたい場合

事業会社からの出資が向いているのは、相手の販路や設備を使うことで、自社の成長が明らかに速くなる場合です。たとえば、相手の顧客に自社の製品を届ける具体的な計画がある、相手の工場で量産を試せる、といった場合です。

一方、慎重に考えたいのは、相手の競合とも取引したい場合や、将来いろいろな会社への売却や上場を選びたい場合です。特定の1社と深く結びつくほど、ほかの選択肢が狭まることがあります。また、出資の目的が「資金だけ」なら、事業での連携を求められる事業会社より、VCやほかの手段の方が合うこともあります。調達手段の比べ方はエクイティ(株式での資金調達)のトップページで整理しています。

CVC・VCとの違い

公正取引委員会と経済産業省の「スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針」は、出資者の例として、ベンチャーキャピタル(VC)、大企業、そして「大企業の投資部門・投資子会社であるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)」を挙げています。つまりCVCは、事業会社が投資のために設けた部門や子会社を指す呼び方です。

比較軸事業会社(本体)CVCVC
お金の出どころ会社自身の資金親会社の資金(ファンド形式の場合もある)ファンドに集めた投資家の資金
主な目的事業での相乗効果事業での相乗効果と投資の収益の両方投資の収益
判断する部署事業部門や経営企画など投資の担当チーム(事業部門と連携)ファンドの投資担当
保有期間の考え方長く保有することが多い相手の方針によるファンドの期間内に回収を目指す
連携の話出資と同時に進むことが多い出資後に事業部門とつなぐ形もある基本的には出資が中心

表は一般的な傾向で、実際の進め方は会社ごとに違います。CVCを置かずに本体の事業部門が直接出資する会社もあれば、CVCが独立した判断で出資する会社もあります。最初の面談で、「誰が出資の判断をするのか」「事業部門との連携は出資の条件か」を確かめておくと、話の行き違いを防げます。投資家の種類ごとの違いはVC・エンジェル・CVCの違いでも解説しています。

CVCがファンドの形をとり、外部の投資家や親会社のお金を期間を決めて運用している場合は、VCと同じようにファンドの期間を意識した判断になることがあります。一方、本体の資金で出資する場合は、期間の制約は小さい代わりに、親会社の事業方針や業績の変化が出資の判断に影響しやすくなります。どちらの形かは、面談の早い段階で確かめておきましょう。

上場会社と非上場会社で違うこと

同じ事業会社でも、上場会社と非上場会社では、出資までの進み方が違うことが多いです。以下は一般的な傾向です。

項目上場会社非上場会社(オーナー企業など)
意思決定担当部署→役員会などの社内決裁を経ることが多いオーナーや経営者の判断で決まることがある
かかる時間社内手続きのため長くなりやすい短いこともあるが、相手次第で大きく違う
求められる資料社内の基準に沿った詳しい調査が多い相手によって幅が大きい
公表出資の内容によっては公表されることがある公表されないことが多い
担当者の異動担当者や方針が変わることがある経営者の交代や相続で方針が変わることがある

上場会社の場合、担当者の熱意と会社としての判断が一致しないことがあります。担当者が前向きでも、社内決裁で条件が変わることもあるため、「決裁はいつ、どの会議で行われるか」を確認しておきましょう。

非上場会社は、地域や取引のつながりから話が始まることが多く、出資の経験が少ない相手もいます。その場合、契約書のひな形を自社側で用意したり、専門家を交えて条件を整理したりする必要が出てきます。投資契約の読み方はタームシート・投資契約の読み方で解説しています。

事業連携と出資をセットにする進め方

事業会社との話は、出資だけで終わらず、共同での開発や販売などの連携とセットになることが多いです。指針も、事業連携の場面としてNDA(秘密保持契約)、PoC(技術検証)契約、共同研究契約、ライセンス契約を取り上げています。一般的な流れは次のとおりです。

  1. NDAを結ぶ:何を秘密情報とするかを整理し、使用目的・対象・範囲を決める。
  2. PoC(技術検証):一緒にやる意味があるかを小さく試す。目的と終了の条件、報酬を決める。
  3. 業務提携・共同研究・ライセンス:役割分担、費用、成果の権利の帰属を決める。
  4. 出資:投資契約や株主間契約で、株式の条件や株主としての権利を決める。

順番は前後することがあり、出資と業務提携を同時に結ぶこともあります。大切なのは、出資の契約と事業の契約を分けて考えることです。たとえば「出資してもらう代わりに、成果の権利をすべて相手に渡す」といった形で、二つの条件を混ぜて交渉すると、何と何を交換したのかが見えにくくなります。

PoCの段階で気をつけること

指針は、連携事業者からPoCの成果に対する必要な報酬が支払われない事例や、やり直しを求められる事例を挙げています。予防策として、業務委託(準委任)契約によりPoCの目的と終了要件を定めることなどを示しています。また、出資の場面でも、大企業との共同事業につながるCVCの出資に際して、PoCとして無償作業が発生することもあると指摘しています。無償での作業が続けば、人手が足りなくなったり、資金が尽きたりするリスクがあります。

業務提携の契約で決めておく項目

  • それぞれの役割と、費用をどちらが負担するか
  • 成果の権利の帰属と、それぞれが使える範囲
  • 契約の期間と、成果が出なかった場合の終わり方
  • 他社との取引を制限する場合の範囲と期間

特に「期間」と「終わり方」は見落とされがちです。連携の成果が出ないまま独占的な関係だけが続くと、ほかの会社と組む機会を失います。

公取委・経産省の指針が示す出資契約の注意点

同指針は、スタートアップと出資者との間で起きた問題事例を挙げ、独占禁止法上の考え方と、問題の背景・解決の方向性を整理しています。立場の強い出資者が、正当な理由がないのに不利益な要請をし、スタートアップが今後の取引への影響を心配して受け入れざるを得ない場合には、優越的地位の濫用として問題となるおそれがあるとしています。

指針が挙げる問題内容指針が示す解決の方向性(要旨)
営業秘密の開示NDAを結ばないまま営業秘密の開示を求められる秘密情報を整理し、使用目的・対象・範囲を明確にしたNDAを結ぶ
無償作業契約で決めていない作業を無償で求められる口約束や契約外の作業を避け、契約で範囲を決める
委託業務の費用負担出資者が外部に委託した調査などの費用をすべて求められる調査の内容を調整・協議し、費用負担の共通認識を持つ
不要な商品・役務の購入出資者が指定する事業者からの不要な購入を求められる業務に必要かを調整し共通認識を持つ
株式の買取請求権不利益な要請の背景に使われる、出資額より著しく高い価格での買取りを設定される など濫用しない。行使条件を重大な表明保証違反や重大な契約違反に明確に限定する
研究開発活動の制限新たな商品などの研究開発を禁止される研究開発の制限は基本的に望ましくない
取引先の制限他社との連携や、他の出資者からの出資を制限される事業拡大を考えた利害調整のうえで、制限が合理的に機能するかの共通認識を持つ
最恵待遇条件出資者の条件を他の出資者と同等以上に有利にする条件を設定される今後の資金調達の方向性を見越して、合理的に機能するかの共通認識を持つ

買取請求権について、指針は、請求の対象から経営株主などの個人を除いていくことが競争政策上望ましいとし、契約違反時の買取請求権は発行会社のみに限定する方向性を示しています。創業者個人が株式を買い取る義務を負う条項がある場合は、特に慎重に確認してください。優先株の条件と合わせた読み方は優先株の条件で解説しています。

事業連携の契約で見落としやすい点

出資の契約だけでなく、事業連携の契約にも注意が必要です。指針は、連携事業者との関係で次のような問題事例を挙げています。

  • 知的財産権の一方的な帰属:共同研究の成果の権利を、相手だけのものにする契約を求められる。
  • 名ばかりの共同研究:研究の大部分をスタートアップが行ったのに、権利を相手のみ、または双方のものにされる。
  • 成果物の利用の制限:成果を使った商品の販売先を制限される。
  • ライセンスの無償提供・特許出願の制限:技術を無償で使わせるよう求められる、自社で開発した技術の特許出願を制限される。
  • 顧客情報の提供:NDAの対象になっていない顧客情報の提供を求められる。
  • 報酬の減額・支払遅延、損害賠償責任の一方的な負担:決めた報酬を減らされる、成果に関する責任をスタートアップだけが負う。

出資者が同時に取引先でもある場合、こうした事業上の条件は、出資の話が進んでいる最中に持ち出されることがあります。「出資が決まるなら」と受け入れた事業上の条件が、何年も会社を縛ることもあります。出資と事業連携の両方の契約を一覧にして、権利・費用・期間・制限の4点で見比べると、全体像がつかみやすくなります。

指針は、「研究開発型スタートアップと連携事業者のオープンイノベーション促進のためのモデル契約書」(新素材、AI)を引用しており、概要資料ではその質問先として特許庁を案内しています。契約条件の考え方をつかむ材料として、専門家と一緒に確認するとよいでしょう。

次の調達への影響と持分の計算例

事業会社からの出資は、次の調達の進めやすさにも影響します。主な論点は、持分の大きさと、独占的な条件の有無です。

計算例:持分が3分の1を超える場合

プレマネー(調達前の評価額)6億円の会社に、事業会社が3億5,000万円を出資すると、ポストマネーは9億5,000万円です。事業会社の持分は3億5,000万円÷9億5,000万円=約36.8%になります。

会社法では、定款の変更や募集株式の発行の一部など重要な事項は、株主総会の特別決議(議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成)で決めます(第309条第2項)。全員が出席する場合、3分の1を超える議決権を持つ株主が反対すれば、特別決議は成立しません。約36.8%を持つ事業会社は、単独で特別決議を否決できる立場になります。

出資額(プレマネー6億円)ポストマネー事業会社の持分
1億円7億円約14.3%
2億円8億円25.0%
3億5,000万円9億5,000万円約36.8%

過半数を超える場合

出資の比率がさらに上がり、議決権の過半数を事業会社が持つと、会社法上、その事業会社の子会社に当たる場合があります(第2条第3号)。取締役の選任など、普通決議で決まる事項も事業会社の意向で決まるようになり、経営の独立性は大きく変わります。グループ入りを前提とした話なのか、少数株主としての出資なのかを、最初に確かめておくことが大切です。

次の投資家が気にすること

  • 特定の事業会社が大きな持分を持っていると、その競合の事業会社が出資しにくくなる
  • 取引先の制限や最恵待遇条件があると、新しい投資家が条件を出しにくくなる。指針も、こうした条件で新たな出資を受けることが事実上できなくなった事例を挙げている
  • 将来の会社の売却先が、出資した事業会社に限られて見えることがある

持分の考え方はバリュエーションと希薄化の基礎、長期の株主構成は資本政策の基礎で確認できます。

出資前の調査と、出資後の関係

出資が具体的になると、事業会社は出資前の調査(デューデリジェンス)を行います。上場会社では、社内の基準に沿って、事業・財務・法務などを詳しく調べることが多いです。準備の進め方はデューデリジェンスの準備で解説しています。

調査の費用と情報の範囲

指針は、出資者が外部に委託して行った業務の費用を、スタートアップがすべて負担するよう求められた事例を挙げています。解決の方向性としては、双方が出資の審査に係る調査の内容などを調整・協議し、費用負担について共通認識を持つことを示しています。調査を始める前に、「何を調べるのか」「費用は誰が持つのか」「調査で出した情報を何に使うのか」を書面で確認しておきましょう。

また、出資者がNDAに違反して、スタートアップの営業秘密を自社の別の出資先に漏らした事例も挙げられています。事業会社の場合、同じ領域で自社の事業や他の出資先を持っていることがあります。調査で開示する資料のうち、特に重要なものは閲覧のみにする、開示する相手を限定するなど、出し方を工夫します。

出資後の関係

出資後は、株主として定期的な報告を求められるのが一般的です。事業会社の場合、報告の窓口が投資の担当と事業部門に分かれていることもあります。誰に、何を、どの頻度で報告するかを投資契約で決めておくと、後の負担を抑えられます。報告の進め方は調達後の株主への報告を参照してください。担当者の異動で関係が変わることもあるため、合意したことは記録に残しておきます。

交渉の準備と相談先

事業会社との交渉では、相手の方が人員も経験も多いことが一般的です。準備として次の点を整理しておきます。

  • 守るべき情報の線引き:ソースコード、製造のノウハウ、顧客情報など、出さない情報と出す条件を決めておく。
  • 譲れない条件:成果の権利、他社との取引の自由、次の調達の自由度など、優先順位をつける。
  • 出資がなかった場合の計画:ほかの調達手段や融資も含めて検討しておくと、不利な条件を断りやすくなる(エクイティとデットの比較)。
  • 専門家の確認:投資契約と事業の契約の両方を、スタートアップの実務に詳しい弁護士などに確認してもらう。

交渉の記録も残しておきます。面談で口頭で合意したことは、その日のうちにメールで確認しておくと、後の行き違いを防げます。

公的な相談窓口

指針の概要資料は、指針の記載内容に関する質問や独占禁止法の相談の窓口として公正取引委員会、指針のうち経済産業省が担当する部分の窓口として経済産業省、モデル契約書の質問先として特許庁を案内しています。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の政府系スタートアップ支援機関の連携によるワンストップ相談窓口も紹介しています。困ったときは、こうした窓口に相談することも選択肢になります。段階ごとの相談先は段階別の相談先の選び方で解説しています。

このページに関係する調達先(図鑑から)

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事業会社からの出資を受ける前のチェックリスト

  • 出資の判断をするのが本体の事業部門か、CVCかを確認した
  • 社内決裁の時期と、決裁で条件が変わる可能性を確認した
  • 営業秘密を開示する前に、目的・対象・範囲を決めたNDAを結んだ
  • PoCの目的・終了条件・報酬を契約で決めた
  • 共同研究やライセンスの成果の権利の帰属を確認した
  • 出資の契約と事業の契約を分けて、交換条件を一覧にした
  • 株式の買取請求権の対象と行使条件(個人が対象になっていないか)を確認した
  • 研究開発や取引先、他の出資者からの出資を制限する条項がないか確認した
  • 最恵待遇条件の有無と、次の調達への影響を確認した
  • 出資後の持分が3分の1を超えるか、過半数になるかを計算した
  • 出資がなかった場合の資金計画を用意した

よくある失敗の型と防ぎ方

失敗の型起きること防ぎ方
出資の話が進む前に、NDAなしで技術や顧客の情報を出してしまう情報が使われても、秘密情報だったと示しにくい開示する情報を整理し、範囲を決めたNDAを先に結ぶ
PoCを無償で引き受け、範囲が広がっていく人手と資金が削られ、本業が止まる目的・終了条件・報酬を契約で決める
出資と事業の条件を混ぜて交渉してしまう何と何を交換したのかが見えず、不利な条件を見落とす契約を分け、権利・費用・期間・制限で一覧にする
取引先の制限や最恵待遇条件を軽く考えてしまう次の投資家や他の取引先と話が進まなくなる次の調達への影響を試算し、期間や範囲を限定する
担当者の前向きな言葉を会社の決定と受け取ってしまう社内決裁で条件が変わる、時期が大きく遅れる決裁の時期と会議体を確認し、資金計画に余裕を持たせる

よくある質問

CVCと事業会社からの出資は何が違いますか?
公取委・経産省の指針は、CVCを大企業の投資部門・投資子会社と説明しています。本体の事業部門が直接出資する場合と、CVCが投資チームとして判断する場合があり、判断する人や連携の進め方が変わります。
事業会社から出資を受けると、ほかの投資家は入りにくくなりますか?
そうなる場合があります。持分が大きい場合や、取引先の制限・最恵待遇条件がある場合は、競合の事業会社や新しい投資家が参加しにくくなることがあります。契約前に影響を試算してください。
業務提携と出資は同時に契約するものですか?
同時のこともあれば、NDA、PoC、業務提携の後に出資する流れもあります。いずれの場合も、出資の契約と事業の契約は分けて内容を確認するのが基本です。
株式の買取請求権とは何ですか?
一定の場合に、出資者が会社などに株式の買取りを求められる権利です。指針は、行使条件を重大な表明保証違反や重大な契約違反に明確に限定することや、請求対象から経営株主等の個人を除いていく方向性を示しています。
PoCを無償で頼まれたら断ってもよいですか?
交渉は可能です。指針は、PoCの目的と終了要件を業務委託(準委任)契約で定めることなどを予防策として示しています。範囲と報酬を書面で決めてから着手するのが安全です。
事業会社の持分は何%までなら安心ですか?
一律の基準はありません。会社法の特別決議は出席株主の議決権の3分の2以上が必要なため、3分の1を超える株主は単独で否決できる立場になる点が一つの目安です。
困ったときにどこに相談できますか?
指針の内容や独占禁止法については公正取引委員会、経済産業省の担当部分は経済産業省が窓口として案内されています。契約の中身は、スタートアップの実務に詳しい弁護士などに確認してもらうのが一般的です。
出典・参考
  • 公正取引委員会・経済産業省「スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針」(令和4年3月31日) https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/mar/220331.html(2026年10月確認)
  • 公正取引委員会・経済産業省「スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針」本文 https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/mar/220331_pressrelease2.pdf(2026年10月確認)
  • 公正取引委員会「スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針」(概要) https://www.jftc.go.jp/dk/startup/220331_su_guideline.pdf(2026年10月確認)
  • 公正取引委員会「スタートアップ関係」 https://www.jftc.go.jp/dk/startup/index.html(2026年10月確認)
  • 経済産業省「スタートアップの成長に向けたファイナンスに関するガイダンス」(2022年4月) https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/houkokusyo/financeguidance.pdf(2026年10月確認)
  • e-Gov法令検索「会社法」第2条第3号・第199条・第309条 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086(2026年10月確認)

本記事は一般的な情報提供で、特定の金融商品の勧誘を目的とするものではありません。条件は事業者や状況により異なります。契約の内容は、専門家にご確認ください。

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